「日本一アスパラ愛がある」と言われているシェフが居る-そんな噂を耳にして札幌市の円山地区にあるフレンチレストラン「ラ・サンテ」を訪ねました。
「28年やってきて、『ラ・サンテ』と言えば、ホワイトアスパラと認知されていると思う」と言うのはオーナーシェフの高橋毅さん(59)。6月いっぱいまでしか食べることができないホワイトアスパラ料理をお目当てに全国から予約が入ります。
出会いは、修業先のフランス。春になるとフランス人がこぞってホワイトアスパラを食べにレストランにやって来る姿に、「北海道にもあるよなぁ」と思ったそう。ただ当時は生のホワイトアスパラを作っているところは少なかったので大変だったそうです。確かに、山崎のような、ちょっと(?)お姉さん、お兄さん世代は共感してもらえると思いますが、ホワイトアスパラと言えば「缶詰」でしたよね?
さて、今回いただいたのは、赤井川村でハウス栽培されているホワイトアスパラ。しゃくしゃくとした歯触りと、甘みと、「とにかくおいしい」の一言!で、たまりませんでした。グリーンアスパラとは、全く違う食べ物です。
今回はまだちょっと早かったのですが、来週くらいから露地モノが登場するそうですよ!
ホワイトアスパラは太陽の日に当たらないように土をかけてつくるので、非常に手間がかかります。成長も早いので、多い時には日に3度も4度も見回って、土をかける必要があるんだとか。中でも露地モノは、風が吹いて土が飛ばされたりと、手間暇が恐ろしくかかるので、生産者はほとんどいないそうです。
そんな中、「20年以上仕入れている」という安平町の八木さんと知り合ってから「質が数段上がった」と言い、絶対的信頼を置いているそうです。
みんなが「そのためだけにやってくる」という逸品は、北海道らしく、香りのいいクマザサの葉と、卵白を練り込んだ塩で包んで、蒸し焼きにした「ホワイトアスパラの塩釜焼き」。お客さんの目の前で塩釜を割ってくれます。そして、オリーブオイルと塩だけで食べるのです。いろいろ試した結果、「八木さんが作るアスパラは、この調理法が一番シンプルで、その存在感が分かる」と、たどり着きました。
他にもサラダ仕立てや、魚介類と一緒に、などなど。ホワイトアスパラの豊富なメニューが堪能できます。
この時期、ホワイトアスパラを食べるために、神戸から6週連続で毎年通ってくるファンもいるというから、そのおいしさが分かります。
ちなみにこの日のメニューは…
高橋さんが得意とする羊は、ご存じ足寄町の石田さんのマトン。薪のおき火でじっくり焼いてあって、マトン好きとしては至福の時でした。
高橋シェフは毎年、必ず生産者の方たちに会いに行き、牧草のできなど、情報交換をしているそうです。北海道の食材や生産者の魅力を伝える料理作りを続けています。
またこの時期は、山菜も豊富で、ちょっとほろ苦い春の味が楽しめます。
ワインのペアリングコースもあります。もちろん堪能させていただきました。
この2年は、コロナ禍の影響が大きかったようですが、今年は道外客が戻ってきつつあるそうです。が、まだ平日なら空きがある日もあるもよう。「ホワイトアスパラは主役になれる食材。この時期だけの北海道の味を食べないと、もったいない」(高橋シェフ)ですよ。
▽住所/札幌市中央区北3西27の2の16 |
▽TEL/011・612・9003 |
▽駐車場/有 |
▽ホームページ/www.la-sante.jp/ |