【木古内】町特産の「はこだて和牛」を生産する町内の肥育農家4戸が「はこだて和牛」のホルモンを商品化した。これまでは、乳用牛や交雑牛など他の国産牛のホルモンと一緒にして販売してきたが、新たな特産品としてブランド化する。道の駅「みそぎの郷きこない」など町内の4店舗で、年内に300パックを取り扱う計画だ。
はこだて和牛は、ほどよい脂乗りが特徴の褐毛和種のブランド牛。出荷頭数は年間約220頭と限られている。ホルモンは1頭当たり2キロ程度しかとれず、肉以外の部位の付加価値を高めるため、生産者を中心に商品化に乗り出した。
加工は食肉卸や小売り販売など手がける北斗市の時兼畜販、販売は函館市の北海道畜肉販売函館にそれぞれ委託。5月ごろから試作を重ね、塩味とタレ味の2種類を完成させた。11月3日に町内で開かれたイベントで初めて販売し、用意した220パックが完売した。
生産者の東出雅史さん(56)は「はこだて和牛の強みは脂の上品な甘み。ホルモンも同様で、他の牛との違いを感じてもらえると思う」と自信を見せる。
町のブランド化推進事業を活用し、パッケージのデザイン開発を進めており、来年には完成する予定だ。販売が軌道に乗れば、町のふるさと納税の返礼品として活用するほか、タンなど他の部位の商品化も視野に入れている。
1パック200グラム入り937円。道の駅のほか、スーパーサンメイト、新函館農協木古内支店女性部の農産物直売所「きこりろ」、久上工藤商店でも扱っている。(大庭イサク)
(北海道新聞2022年11月15日掲載)
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