【鹿部】町民有志でつくる「しかべ健康茶の会」(松田辰彦代表、16人)は、町内で栽培したタラノキを活用したお茶「シケルペティー」を開発。町内で販売を始めた。松田代表は「町の新しい特産品に育てたい」と話している。
鹿部町内は駒ケ岳噴火の影響で、軽石に覆われた土壌が広がり、野菜の栽培には不向きとされる。そこで同会のメンバーらは軽石土壌でも育つ可能性がある作物としてタラノキに着目。2年前に町内で苗を植えたところ、順調に生育したため、特産品化に着手した。タラノキは樹皮や根など幅広く使うことができるが、今回は「日常生活に気軽に取り入れることができる製品をつくろう」と葉をお茶に加工することに決めた。
こうして生まれた「シケルペティー」は、タラノキのさわやかな香りとあっさりとした味わいが特徴だ。独特のくせを抑えるために、葉を粉末に加工してから焙煎(ばいせん)している。風味が損なわれないよう、煎る時間など試行錯誤を重ねた。お茶の名前は鹿部町の由来となったアイヌ語「シケルペ」にちなんだ。
2月中旬から販売を始めたところ「飲みやすく食事に合う」、「健康づくりに良さそう」などと繰り返し購入する町民も多い。鹿部の名物をあしらったパッケージも好評でお土産に購入する人も目立つという。
松田代表は「タラノキは利尿、健胃などさまざまな効能があるといわれている。今後はお茶だけでなく食品にも利用できるよう研究を進めたい」として、栽培本数を増やしていく考えだ。
6包入り600円、12包入り1100円。道の駅しかべ間歇泉(かんけつせん)公園などで販売。問い合わせは同会の横井さん(電)090・1443・2500(平日午前9時~午後5時)へ。(中村公美)
(北海道新聞2022年3月30日掲載)