【鶴居】旅行業の阿寒バス商事(釧路市)が金星釧路ハイヤー(同)と協力し、路線バスとタクシーに乗って鶴居村にタンチョウを見に行く日帰りツアーの販売を始めた。バスで直接行けない釧路空港と鶴居村間をタクシーで移動し、バスも使ってツアー料金を抑える。好評だった場合は、釧路湿原の散策などツアーの種類を増やす考えだ。
ツアーは釧路空港発とJR釧路駅前発の2種。空港発は3時間40分で、空港からタクシーで鶴居村に行き、見どころを巡った後、バスに乗って釧路駅前着。釧路駅発は2時間35分で、バスで鶴居村に行き、タクシーで村内を回り、空港に送り届ける。料金はいずれも2人以上で1人5千円。同じ行程をタクシーのみで移動した場合は1万数千円かかるという。
阿寒バス商事は阿寒バスの子会社。コロナ後を見据え、まずは観光客の人気が高い鶴居村のタンチョウに着目したが、釧路空港と鶴居村はバスで直接行けず、給餌場がある鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリとバス停が離れているなどアクセスが悪かった。
短時間でタンチョウ観察を楽しんでもらおうと、会社の垣根を越えて、タクシー台数の多い金星釧路ハイヤーに協力を仰いだ。金星釧路ハイヤー側も、タクシーのみで移動する観光客は限られるため、「互いの弱点を補い合い、1人でも多くの観光客を取り込めれば」と快諾した。
阿寒バス商事のウェブサイトで、3月12日まで販売している。同社の野崎晋輔・旅行事業部統括は「バスとタクシーの良いとこ取りで料金と便利さのバランスに優れたツアー。国内外の観光客に道東の魅力を売り込みたい」と話す。(五十地隆造)
(北海道新聞2023年1月3日掲載)