【標津】2008年に札幌から町古多糠に移住し、「アルゼンチン牧場」を営む小松健治さん(51)、グラシエラアナさん(56)夫妻が「北海道ミルクキャラメルクリーム」を発売した。アルゼンチンはグラシエラアナさんの出身国で、品物はパンに塗ったり、調味料としたりと幅広く使える人気の食材。夫妻は就農当初から生産、加工、販売を一貫して行う6次産業化を構想していたといい、14年目で始動した商品第1号だ。
同牧場は約30頭で搾乳を行っている。日系3世で現在は日本国籍のグラシエラアナさんは「キャラメルクリームは、アルゼンチンでは日本のみそやしょうゆのように身近な食材」と言い、就農当初から仕事の合間に作っていた。夫妻で試作を重ねて昨年秋に完成し、牧場内に加工施設「みるく工房」も設けた。
材料は牛乳と砂糖のみ。口に入れると、やさしい甘みとこくが広がる。標津町農協によると、商品を作って販売するのは同牧場のみ。小松さんが朝晩の搾乳の合間に1人で調理する。加工時間も短縮を図ったが1回に約8時間を要し、生産量も約10キロ、月に4回ほど。味についてはアルゼンチン大使館(東京)の職員からも「懐かしい味」と好評を得ているという。
小松さんは「標津牛乳のアイスクリームにかけるのがお勧め。砂糖代わりとして肉料理にも合う」と話す。季節や火加減、牛乳の質で毎回、微妙に味が変わるのも手作りの魅力だ。
同牧場はホームページ(HP)で直販しており、140グラム(税抜き730円)、250グラム(同1300円)、800グラム(同3500円)の3種類。Aマートしべつ店、まちの駅サーモンプラザ、中標津町内のパン屋ウエストオーブン、中標津空港などでも購入できる。
問い合わせは、牧場HP(https://dulce-de-leche.jimdofree.com/)か、小松さんの携帯電話090・6872・5828へ。(森朱里)
(北海道新聞2023年1月26日掲載)
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