雄武(おうむ)町は、日本最北の稚内市と世界自然遺産「知床」で有名な斜里町のちょうど中間地点に位置する町です。オホーツク管内の最北端で、管内を怪獣の形に見立てた場合「頭の部分」に当たります。手つかずの自然や山の恵みと海の恵みが豊富なのが自慢で、「都会」以外は全てここにあるという町です。オホーツクラインを走るドライバーには通過地点の町として認識されているかもしれませんが、一度はゆっくりと訪れてみませんか。マチの魅力を雄武町役場さんにご紹介していただきました。
目次
<その①>オホーツク海と北見山地に囲まれた豊かな自然
雄武町はオホーツク海から内陸に向かい、マチの市街地区、酪農業の牧草地帯、山林地帯が続き、豊かな自然に囲まれています。
山林地帯のさらに奥には、日本最北の高層湿原である「ピヤシリ湿原」や落差30メートルの「神門の滝」などの絶景スポットがあります。
そういった、普段はなかなか近づけないような秘境エリアが広がり、エゾシカやオジロワシなどの野生動物なども間近に現れる地域です。
気候は年間を通して冷涼で比較的雪も少なく過ごしやすいマチです。冬場、海一面が流氷によって閉ざされる漁場へは船が出航できなくなりますが、次のシーズンまで水産資源も漁師もゆっくりとお休みする時期。そして、その流氷の恵みにより美味しく育ったホタテや毛ガニ漁が始まる春、港は再び活気を取り戻します。
<その②>マチが誇る多彩な地場海産物の味わい
豊かな海の恵みを受けて地元で育つ、さまざまな海産物が雄武町の自慢の一つです。この地域はカニやホタテの生育に適しており、その「恵み」を地元で大切に守り、育てています。それだけに、味わいは格別です。
▽毛ガニ
雄武町の毛ガニの漁期は3~7月。海底には毛ガニが好む砂泥層が広がるため、雄武町の毛ガニの味はどこにも負けないと町民は自負しています。雄武町の誇りです!
▽ホタテ
獲れたての生のホタテの貝柱はプリプリの触感と弾力がケタ違い。漁期は3月から11月になります。地元で4年間じっくりと大事に育てて出荷しています。
▽秋鮭
雄武の川で生まれ雄武の川に戻ってくる秋鮭。何よりの自慢が、雄武町の2大ブランド鮭の「メジカ」と「雄宝(ゆうほう)」です。選び抜かれた鮭だけがその名を語ることができます。上品な脂の「メジカ」、確かな旨味の「雄宝」をぜひご賞味あれ。
▽イクラ
そして鮭といえば忘れてはならないのが「イクラ」。もちろんこちらもマチの特産品です。オホーツクの荒波で育った鮭から採れる新鮮なイクラは、ふくよかな味わいと奥深い風味があり、お土産で必ず喜ばれる逸品。雄武町のご当地キャラクター「いくらすじ子」のモチーフにもなっているんですよ。
秋サケは地元で「新巻き鮭」「山漬け」「鮭とば」など様々な水産加工品になります。サケの加工で浜が賑わう時期には、副産物の「鮭の肝(心臓)」や「ちゅう(鮭の胃袋)」「白子(精巣)」などを料理したものが地元の食卓に上ります。煮物のほかにも、サケの肝をシンプルに塩コショウのみの味付けで焼いたものも地元の町民には人気があります。こちらの味を楽しめるのは地元住民のいわば〝特権〟かもしれませんね。
<その③>新鮮な生乳を生む酪農、その味をカフェでも
いわずと知れた白と黒の模様の牛は、雄武の風景の象徴。町内では、牛たちと牧草の緑、そしてオホーツク海の青さが織りなす美しい風景を楽しめます。国道からオホーツク海と牛が同時に見られるフォトスポットは意外と少ないので見られるとラッキー。なお、牧草地は大事な農家さんの畑。防疫のためにも一般の方の立ち入りは厳禁ですよ。
雄武町は酪農が盛んなマチ。牛乳やチーズなどの基になる高品質な生乳を生産しているほか、黒い肉牛の姿も見かけることができます。そうした新鮮な地元素材を生かした「味」を提供されているお店をご紹介します。
▽ブルーグラスファーム
渡辺牧場を経営されているご主人が、こだわりのストリングタイプやハードグラスなどの自家製チーズを製造・販売されているのがこちらです。濃厚な味わいのソフトクリームも大人気。店内にはベンチも用意されているので、ドライブの休憩などに利用してみてはいかがでしょう。
住所:北海道紋別郡雄武町字北雄武355-1
電話番号:0158・84・3483
営業時間:午前9時30分~午後5時
定休日:不定休
▽カフェうしり
2022年12月に田口牧場直営のカフェとしてオープン。提供する全てのメニューに自家生産の牛乳を使用し、ホットサンドやパスタ、デザートなどを味わうことができます。お土産にもってこいの、持ち帰り用の焼き菓子なども好評だそうです。
住所:雄武町北雄武511-7
電話番号:080・2668・3795
営業時間:午前11時~午後4時(LO:午後3時30分)
定休日:毎週、木・金曜日
Instagram:https://instagram.com/ushiri_taguchifarm?igshid=YmMyMTA2M2Y=
<その④>日本一の作付面積を誇る「韃靼そば」
冷涼な気候と重粘土質な土壌により畑作に向かない土地であることから、雄武町では酪農業が発展してきましたが、近年では「韃靼(ダッタン)そば」や種いもなどの畑作も盛んになってきています。今後も雄武町の農業は多くの可能性を秘めています。
特に韃靼そばは、耕作放棄地などを活用して、今では日本一の作付面積を誇る生産地になっています。韃靼そばは健康成分「ルチン」が豊富なことでも知られています。
その韃靼そばには雄武町産利尻昆布と鮭節の深いダシの効いた「神門のつゆ」が相性抜群。まだまだ新たな製品化が図られている途中で、今後も注目される作物です。
焙煎した韃靼そばをニセコ山系の雪清水と米と米麹で仕込んだ焼酎が「満天きらり」。香ばしい香りと飲み飽きないスッキリとした味わいの焼酎で、韃靼そばを茹でたそば湯で割って飲んで頂くのがおすすめですよ。
「日の出」を見にオホーツク雄武町へ㊤2泊3日の旅 毛ガニを楽しむ〈山﨑編集長☆発〉
<その⑤>町を盛り上げるご当地キャラ「いくらすじ子」
雄武町の公認キャラクターとして2019年5月に華々しくデビューした、自称〝北海道最後発〟のご当地キャラクター「いくらすじ子」。町内外のイベントやPR活動で大活躍する予定でしたが、新型コロナ禍の影響で各種イベントが次々と中止となり、活躍の場を失っていました。しかし、2022年から徐々に再開し始めた各種イベントの波に乗り、2年の沈黙を破って今や大活躍中。運が良ければ町内のどこかで出会えるかも!
- 「いくらすじ子」のプロフィール
正体:おうむの川で生まれた鮭の稚魚
特徴:稚魚なのでおなかに「さいのう」という袋がついている。オウム(鳥)の帽子をかぶり雄武町をPRしている。
好きな物:みんなの笑顔、青い空と海、海の幸、牛、温泉、朝日
苦手なこと:寒いのは好きだけど暑いのが苦手
目標:雄武町のことをみんなに知ってもらい、大好きになってもらうこと
夢:大きくなったらオホーツク海を大冒険すること
各種キャラクターグッズも展開しており、「道の駅おうむ」や「ホテル日の出岬」など町内各所で購入が可能です。
♢雄武町観光を楽しむ㊦へ続く―
※情報は記事公開当時のものです。
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