初恋の味は、昔ながらのスッキリとした甘みだった―。北見市の老舗製菓業「永田製飴(せいあめ)」の看板商品「ハッカ飴」が、米動画配信大手ネットフリックスが配信するドラマ「First Love 初恋」に登場し、注目を集めている。物語の鍵となるシーンで主人公たちがハッカ飴を口にしたことから、昨年11月下旬の配信直後より同社に注文が殺到。12月の受注数は前年同月の約6倍に上った。同社は「北見を知ってもらうツールとして羽ばたいてほしい」と喜んでいる。
ドラマは、高校時代の初恋を経て離れ離れになった男女2人を描く切ないラブストーリー。主演は俳優の満島ひかりさんと佐藤健さん。札幌や旭川のほか、JR北見駅、オホーツク紋別空港などがロケ地になっている。ハッカ飴は2人の青春をたどる「記憶の味」として重要な役割を果たし、1話約1時間の全9話のうち、中盤から後半にかけての計3話で登場する。
ハッカ飴は北見特産のハッカの葉を模した形と青色が特徴のアメ菓子。1958年に現在の形になった。
同社の永田泰之(ひろゆき)社長(44)によると、3年半ほど前にドラマの制作関係者から問い合わせがあり、ハッカ飴の歴代の外袋などについてやりとりした。新型コロナウイルス流行を機に連絡がなくなり、配信開始の直後に交流サイト(SNS)上で話題になったことでハッカ飴の登場に気付いた。
受注が増えた12月は休日返上で工場をフル稼働。世界各国でドラマを視聴できるため、中には百袋単位で注文したアジア在住とみられる個人客もいたという。
永田社長は「長年続けてきた商品がこのような形で着目されるとは」と感慨深げに話し、制作側と調整がつけばドラマとハッカ飴のタイアップに意欲を示す。妻の友さん(45)も「思い出の味として広く楽しんでもらえれば」と期待する。
ハッカ飴は140グラムで、希望小売価格216円。北見市内外の小売店で扱うほか、ネットでも販売中。
問い合わせは同社、電話0157・23・2825へ。(山田健裕)
(北海道新聞2023年2月8日掲載)
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