小樽市稲穂1の地酒専門店「酒商たかの」2階の角打ちコーナー「隠れ蔵」で昨年11月から提供している「日本酒カレー」が静かな人気を呼んでいる。水の代わりに全国の地酒を惜しげも無く投入しているのが特徴。同店は、「カレーを通じて日本酒を身近に感じて」とPRしている。
角打ちは、酒店の一角で日本酒を楽しむ酒場。「隠れ蔵」は、運営するベンジー高野商事(小樽)の高野泰光社長(75)が自ら店主を務める。
カレーは、高野さんの妻で同社専務の高野知恵子さん(73)が発酵食品の本を読んで発案し、作っている。圧力鍋のカレーに一つの銘柄の四合瓶(720ミリリットル)を1本投入。3日かけて煮込み、アルコールを飛ばす。これまでに使った地酒は「豊盃(ほうはい)」(青森)、「八海山」(新潟)、「獺祭(だっさい)」(山口)など十数銘柄。1回に25皿分ぐらい作り、なくなると次の銘柄に変えている。
じわじわと人気が出ており、市外からカレー目当てに来店する人も。もったいない気もするが、泰光さんは「良い酒を使うから、良いカレーができている」と話す。具材はキノコ、タマネギ、ニンジンと同じでも「宮寒梅(宮城)はまろやかに、雪中梅(新潟)はコクとうまみが出るなど、入れる銘柄によって味が全然変わる」と知恵子さん。「お酒を飲みながらカレーも楽しんでほしい」と呼び掛ける。
カレーは600円。同店では1枚100円の金券を10枚買い、お通し代として300円分支払う必要がある。20歳未満の入店不可。営業時間は午後5~10時(日曜は同9時まで)。無休。問い合わせは同店、電話0134・34・1100へ。(佐藤宏光)
(北海道新聞2023年2月28日掲載)