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2022.04.15

From北海道新聞

〈これが旬!〉滝川市*春を届ける 雪割りなばな 雪の下で甘み熟成 シャキッ

北海道新聞記事
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「雪割りなばな」を栽培する中野義治さん。一つ一つ根元を折って収穫する=3月30日、滝川市北滝の川

 滝川市と赤平市で栽培される「雪割りなばな」は道内では珍しい食用の菜花だ。夏に露地で種まきし、秋に発芽、雪の下で冬を越し、春の雪解けとともにハウスで収穫される。岩手で生まれた品種にほれ込み、約20年から栽培を続ける第一人者を訪ねた。(文・有田麻子、写真・小室泰規)

収穫したなばなは長さ30㌢に切りそろえて出荷される

 「収穫始めは特に雪解け水を吸ってやわらかい」。雪割りなばなを栽培する滝川市北滝の川の「なかのふぁ~む」代表、中野義治さん(66)はそう説明する。
 鮮度を保つため、午前7時から手作業で収穫し、家族4人で選別と袋詰めをする。「気温が高くなるとしんなりして店に並ぶ時シャキッとしない」という。
 11月以降、雪の下で「冬休み」に入るのには理由がある。厳しい寒さの中で葉に糖分を蓄える性質を利用して、甘さを増すためだ。
 2月に入るとハウスにビニールをかけて雪解けを促し、3月末から収穫開始。昼夜の寒暖差でさらに甘みが増し「雪割り」の名前で4月末まで出荷する。
 中野さんがこの品種に出合ったのは約20年前。岩手県の旧・東北農業試験場へ視察に行った際、「面白い品種がある」と聞いた。寒冷地に強い品種「はるの輝」だった。
 県外不出といったんは断られたが、たきかわ農業協同組合が中心となり働き掛けて入手した。2002年に農家12人で研究会を設立。一足早い春を届ける、との思いで「雪割りなばな」と名付けた。


 ただ、生産者は減っている。滝川市と赤平市を管轄する同農協によると、12年の19戸が22年は11戸に。21年の収穫量は前年比約1割減の2047㌔となった。
 特産販売課主幹の長内浩樹さん(50)は「生産者の高齢化に加えて、連作できないことが背景にある」という。
 それでも中野さんは「ハウスの夜間の雪下ろしなど手間も多いが、喜んでくれる人がいるから」と、今後も栽培を続ける予定だ。
 値段は1袋(150㌘)200円台後半で販売。札幌や旭川の市場に出荷されるほか、直売所「JAたきかわ菜の花館」などで扱う。問い合わせは同館☎0125・74・5510へ。

*塩ゆでして、何も付けずに

 「雪割りなばな」は「塩ゆでして何もつけずに食べるのがおいしい」と話すのは中野さんの妻、美規子さん(65)。沸騰した湯に1分半が目安で、流水で冷やして食べる。
 言われた通りにそのまま口に運ぶと、みずみずしい食感で根元の太い部分が特に甘かった。「ゆですぎると食感が損なわれるので気をつけて」というのが注意点だ。
 苦みがなく、おにぎりや卵焼き、唐揚げに混ぜ込むなどさまざまな食材と組み合わせられるという。
 食用菜花は、雪割りなばなのように茎と葉を食べる西洋種と、つぼみを食べる和種の二つに分けられる。

(左から時計回りに)ゆでた菜花、タコザンギ、卵焼き、おにぎり

(北海道新聞2022年4月15日掲載)

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