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2022.04.14

〈TE旅の提案〉春の北海道をゆったり巡る~ ⑤旭川・富良野・帯広編

Tripeat編集部
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生命の息吹を謳歌(おうか)する旅

 今や全国で大人気の旭山動物園、天然記念物のオロロン鳥などが生息する天売島など、旭川以北にはみずみずしい生命が生き生きと躍動しています。旭川は東京との空路もスムーズ。道外の友人たちにも旭川を拠点にした北海道旅行を提案してみるのもいいかもしれません。富良野や美瑛を楽しみ、帯広など十勝エリアへ足を伸ばしてみるのも。生命にふれる、家族が元気になる、道北・十勝の旅です。

自然に、自由に。いまを生きる動物たち

 「いい子にしててね」。自宅を出る朝、近くの実家に預ける飼い犬を抱きしめながら、目に涙をいっぱいにためて息子が言った。動物好きで感受性が強い息子は、旭川へ向かう車の中でも残してきた愛犬をしきりに心配していた…のだが、旭山動物園に着いたとたん目を丸くして大はしゃぎ。無理もない、親のほうも負けず劣らず大興奮なのだから。

空を飛んでいるかのように泳ぎ回るペンギンたち

 水中をペンギンがはばたく、頭上をアムールヒョウが歩いていく、飼育員があちこちに隠したエサをサルたちが探しまわる。生き生きと動き回る動物たちに、息子はもとより私も妻もすっかり夢中。日本一人気の動物園といわれるのも納得!

白い体に黒い斑点模様。ゆったりと寝転ぶユキヒョウ

 旭川から北上して士別へ。「サフォークランド」を名乗るこの町では、サフォーク種綿羊がのんびりと草をはんでいた。顔と手足が黒く、白いセーターを着たようなユーモラスな姿に歓声をあげる息子には、レストランで食べたやわらかい肉がサフォークラムだという事実は内緒にしておこう。

広々とした高原で草をはむ羊たち

 羽幌からフェリーに乗って、天売・焼尻島巡り。どちらも野鳥の楽園として知られている。天売島のシンボルとして有名なオロロン鳥は残念ながら激減していてほとんど見られないそうだが、ウミネコやウミウなどが自由に飛びまわっている。日没とともに繁殖期を迎えた何万羽ものウトウが一斉に巣に帰る光景は、親子そろって一生忘れられない思い出になりそうだ。

残したい文化がある。継承したい生命がある

 旅の後半は、北海道を南北に大移動。旭川方面に戻り、「ばんえい競馬を見てみたい」という私の希望で帯広へ。

砂ぼこりを舞い上げ、鉄ソリをひく馬たちのレース。迫力満点だ

 ばんえい競馬は鉄ソリを馬にひかせ、途中2カ所の障害のある直線コースで競うレース。農耕馬が活躍した北海道開拓時代の流れをくむもので、北海道遺産に指定されているという。いざレースが始まると家族そろって大声援! 障害を一気に攻めたり、ひと息ついてけん制したり、疲れた馬が座り込んでしまったり。サラブレッドの2倍という馬の大きさだけに迫力満点ながら、ときに牧歌的なシーンが繰り広げられ、平地競馬にはない魅力がある。私と妻の勝敗結果は…これも内緒にしておこう。

富良野のラベンダー畑。紫色のラベンダーだけでなく色とりどりの花々が美しさを競う

 旅の最後のお楽しみは富良野。帯広から富良野は思いのほか近い。麓郷の森やラベンダー畑を散策するのもいいけれど、どうしても息子を連れて行きたかった場所が「富良野自然塾」だった。

 ここでは閉鎖されたゴルフ場を利用して環境ワークショップを実践している。野外のコースを巡りながら地球の歴史を学んだり、はだしで森を歩いたり、樹木の種から苗づくりをしたり、ゴルフ場の芝を剝がして植樹したり。都会育ちの妻が泥だらけになってスコップを握り、引っ込み思案な息子が瞳をキラキラ輝かせながら苗を植えている。

 この木が大きくなるころ、私はこの世にいないだろう。しかし息子の息子の、そのまた息子が、かつてゴルフ場だった深い森で遊ぶだろう。北海道で出合った生命の数々。その感動の記憶を、子から孫へと続く生命の鎖に刻んでおこう。

(おわり)

〈TE旅の提案〉春の北海道をゆったり巡る~ ①洞爺・登別・ニセコ編   

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