苫小牧の白貝や厚岸のカキ、網走のアサリとシジミ、道内産のホタテなど、その時々に仕入れた5種の貝を使った酒蒸し「貝風呂」(1人前1650円で2人前から)。苫小牧市内の海鮮居酒屋「魚次郎(うおじろう)」で、来店者のほぼ全員が注文する人気の料理だ。
かつお節と煮干しでだしを取り、料理酒で風味付けしたスープがベース。貝を入れて鍋で10分ほど煮込み、あくを取り、貝の口が開いてきたら食べごろだ。貝から出るうまみと塩味が、シンプルだが奥深い味わいを生む。
「5種の貝の組み合わせだからこそ出る濃厚なスープを味わってほしい」と店長の袖村亮太さん(40)。店では特製の太ちぢれ麺や、ご飯と卵を絡めるおじやを用意し、シメの一杯でスープをとことん堪能できる。
2016年11月の開店当初、客の反応は微妙だった。「貝だけではなく野菜も入れて」と言われたこともあったが、一緒に煮込むと、野菜の甘みで味が変わってしまう。袖村さんは貝だけの味を貫き、2年後には自他共に認める店の看板メニューとなった。
22年5月からは、専用サイトで通販(3~4人前、送料別3850円)を始めた。同時期に全国放送のテレビで特集されたこともあり、700箱以上を売り上げた月もあったという。
苫小牧出身の袖村さんは、市内の海鮮系居酒屋で十数年働いた後、現在の店のオーナーに誘われて開業した。こだわりは貝にとどまらず、函館のヤリイカや静岡の生シラスなど、季節ごとの浜の味を全国各地から仕入れ、さまざまに調理して提供している。「今後も本当においしい素材だけを提供していきたい」。袖村さんのこだわりの一品に、どっぷりとつかりたい。(苫小牧報道部 斎藤雅史)
▼所在地 苫小牧市大町1の1の1 |
▼電話 0144・34・9200 |
▼営業時間 午後5時~11時 |
▼取り寄せ 自社ホームページのオンラインショップから(https://liberta-kitchens.stores.jp/) |
▼定休日 日曜日 |
▼交通 JR苫小牧駅から徒歩15分 |
(北海道新聞2023年3月24日掲載)
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