【足寄】牧草のみで育てたグラスフェッド牛を使ったハンバーガー「あしょろ雲海和牛バーガー」を、町内の人気店「ウッディベル」(南2)が商品化した。店主の鈴木義徳さん(58)は「ヘルシーで希少な地元産牛を使った初の商品。新たな名物に育てたい」と期待を込める。
グラスフェッド牛は、放牧で十分に運動させることにより、脂肪が極めて少なく、赤身中心の肉質が特長。穀物飼料を与える肥育が主流の中、健康志向の高まりを背景に近年注目されている。
グラスフェッド牛を生産するのは、同店の常連客で和牛繁殖農家の兼古照夫さん(44)。町内上利別の標高400~500メートルの高台に広がる19ヘクタールの敷地で、黒毛和種の経産牛を中心に、130頭を飼育する。
兼古さんは「牧草だけで、どんな味の肉ができるか挑戦してみたかった」と、15歳前後の経産牛を選抜し、3年前から牧草のみでの飼育を開始。2年間与えた2頭を昨年出荷した。
牧場周辺は雲海が一望できる隠れた絶景スポットで、兼古さんは、高台育ちのグラスフェッド牛を「足寄雲海牛恵讃」と命名、商標登録を申請している。
鈴木さんは、雲海牛の歯ごたえのある食感を生かすため、肉を手作業でほぐし、少量の脂肪をつなぎに使用。試作を重ね「かむほどに肉本来の味が楽しめるよう仕上げた」と自信を見せる。兼古さんは「ご当地バーガーを作りたいという鈴木さんの熱意と、自分の挑戦が一つになった」と感慨深げだ。
新バーガーは2種。町産ラクレットチーズ入りが2370円(チーズなし1830円)。問い合わせは同店、電話0156・25・6101へ。(大井一平)
(北海道新聞2023年4月11日掲載)
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