1918年(大正7年)創業のあめ製造・販売業者。道内産のテンサイから作った砂糖と小樽の水を原料に、約60種類のあめを作っている。
一番人気は、こしあんを白いあめに包んだ「雪(ゆき)たん飴(あめ)」(160グラム、330円)。あめのやさしい甘さと、とろけるような舌触りのあんが特長だ。
でんぷんから作った水あめと、砂糖を混ぜて煮詰め、機械で練って空気を含ませる。棒状にしたあめの中に自家製練りあんを入れてくるみ、職人がはさみで切って仕上げる。「石炭の積み出し港だった小樽に雪が積もる様子を表現した」と同社8代目の飴谷(あめたに)基伸部長(36)。販売開始は昭和20年代で、「人工甘味料を使わず、人の口に合った甘さが、長く販売できた秘訣(ひけつ)」と力を込める。
同社の起源は、苦い薬と一緒に食べるための水あめ作りが盛んだった富山県。あめ屋を営んでいた3代目六兵衛が1891年(明治24年)に北海道へ渡り、5代目が小樽に「飴屋六兵衛本舗」を創業。1952年に「飴谷製菓」になった。
79年からは相手先ブランドによる生産(OEM)もしており、現在は胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の土産品も製造している。小樽運河近くの同社前に設置した屋台ではあめの試食や購入もでき、地元客や観光客でにぎわっている。
ほかにもバターを使った「北海道バター飴」(110グラム、230円)が人気で、道内の土産物店や道外の百貨店でも取り扱う。昨年初めて米国の日系スーパーで販売。長距離輸送でも溶けることなく、好評だったという。
飴谷さんは「今後は東京や名古屋など本州のスーパーにも常設してもらえるようにして、いずれは海外にも販路を広げたい」と意気込んでいる。(矢野伶奈)
▼所在地 小樽市色内2の4の23 |
▼電話 0134・22・8690 |
▼屋台の営業時間 午前9時~午後5時(土曜は午後4時まで) |
▼取り寄せ 電話、またはメール(ametaniseikakk@yahoo.co.jp)で受け付ける |
▼定休日 日曜、祝日 |
▼交通 JR小樽駅から徒歩約10分 |
(北海道新聞2023年4月28日掲載)
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