【上砂川】チーズ工房「きまぐれ牧場」が石炭に見立てた黒いチーズ「きまぐれ炭」を開発した。炭鉱で栄えた空知地方をイメージして開発した勝長玲美さん(29)は「柔らかいのが特徴。バターのようにパンに塗って食べるとおいしいです」と話す。
同工房は2020年設立で、表面の外皮を酒などで洗って熟成させるタイプの「ウォッシュチーズ」を製造。
昨年6月には新十津川町の金滴酒造の酒で洗った「きまぐれおさけ」など3種を初めて商品化した。
「きまぐれ炭」は、粉末状にした竹炭を水に溶かし、「きまぐれおさけ」の表面を洗って作る。炭の効果で熟成が促進され、酸味が取れ、まろやかな味わいになるという。勝長さんが留学していたフランスに、炭を粉末状にしてまぶしたチーズがあることに着想を得た。
昨秋に事前販売したところ、約30個が完売。「これまでよりも柔らかい食感」など高評価を受けたという。その後も改良を続け商品化した。
直径約8センチ、厚さ約4センチ、約120グラムで1188円。「まちの駅ふらっと」などで販売している。勝長さんは「工房を始める頃から作りたいと思っていた。食べやすいチーズに仕上がった」と話している。(小林駿太)
(北海道新聞2022年4月9日掲載)