【本別】本別町農協(佐野政利組合長)は、町内でわずかに生産されている小豆「アカネダイナゴン」を使ったあんの新商品「稀(まれ)」を開発した。希少な小豆のため価格帯は高めだが「優しい豆の味を楽しんでほしい」とアピールしている。
同農協の豆加工品シリーズ「まめまんま」の第8弾。こしあんとつぶあんの2種類で、道産のテンサイ糖を使用する。
アカネダイナゴンは栽培管理が難しく収益性が低いため、「農家泣かせの豆」と言われている。だが、風味が良く、道内外の老舗和菓子店を中心に根強い需要もあるため、一般向けにも商品化することにした。
農協役員ら10人で作る部会が1年ほど前から開発に着手。塩味や甘みを調整するなど試作を重ね完成させた。既に町内飲食店向けに業務用として販売しており「評判は上々」という。
商品開発を担当した同農協の柳沢真佐美さん(56)は、おはぎやぜんざいなどあんの一般的な使い方以外に、牛乳にあんを入れた「あんラテ」のレシピを勧める。「まろやかな味で意外とマッチする」と言い、「砂糖と牛乳の消費回復に貢献して農業を元気づけたい」と語る。
「稀」は500グラム840円。エーコープほんべつ店など町内3カ所と、音更町の道の駅「ガーデンスパ十勝川温泉」で販売中。6月から同農協ホームページで購入できる。
問い合わせは農産部食品開発課、電話0156・22・6711へ。(大井一平)
(北海道新聞2023年5月17日掲載)