【今金】町産のブランドジャガイモ「今金男しゃく」や、カレーなど今金町農協オリジナルの加工品セットが届く「今金男しゃくオーナー制度」の申し込みが好調だ。事務局の「今金男しゃく道民サポーターズクラブ」(札幌)によると、今年は5月15日に受け付けを開始。1カ月足らずで昨年の応募数に迫る約200口の申し込みが道内外から寄せられている。
今金男しゃくは、地域ブランドを守る農林水産省の「地理的表示(GI)保護制度」に登録されている町産農産物。年間約1万トン生産されているが、大部分が東京など関東方面に出荷され、道内での流通は少ないのが現状だ。そのため同農協と同クラブが「道民に今金男しゃくを認知してもらい、消費を拡大してもらおう」と、2021年にオーナー制度をスタートさせた。
21年は道民限定で600口を募集し、550口の応募があった。2年目は「道外在住者も対象にしてほしい」との要望に応え、対象を国内全域に拡大。募集も800口まで広げたが、21年を上回ることができなかったという。
3年目の今年も800口を募集し、1口の参加料は道内6500円、道外7千円。申し込んだ人には、10月下旬までに1口当たり今金男しゃく3キロ、ゆめぴりかなど町産米レトルトご飯3パック、今金男しゃく黒毛和牛レトルトカレー4個、男しゃくポテトチップス2袋の計10品が届く。
また、11月3日には札幌市内でオーナーを対象にした「今金男しゃくフォーラム」を昨年に続いて開催する予定。来場者には今金男しゃくの栽培の歴史や、厳正な品質管理方法を説明。さらにオール今金産の具材を用いたスープカレーの試食も予定している。
同クラブの日原(ひはら)康貴部長は「単に申込金が安いから人気というのではなく、高い品質の農産物をみんなで支えていこうというサポーターズクラブの理念が徐々に消費者に浸透している」と手応えを語る。今年はこれまでに道内からの申し込みが8割、残り2割は関東方面から寄せられているという。
今金男しゃくがGI登録されたのは19年。農水省によると、道内では現在「夕張メロン」や「十勝川西長いも」、乙部町の干しナマコ「檜山海参(ヒヤマハイシェン)」など計7品目が認定、登録されている。地域ブランド品としての今金男しゃくの知名度を高めるため、同農協の工藤耕治企画審査課長は「東南アジア方面への輸出も検討している」と話す。
小田島親守組合長は「手間暇かけた栽培や厳密な品質管理を継続し、今金発のトップブランドとしての男しゃくを守り続けたい」としている。
オーナー制度の申し込みは今金男しゃく道民サポーターズクラブのホームページhttps://imakane-dansyaku.funへ。問い合わせは日原部長、電話090・5229・1764へ。(大場俊英)
(北海道新聞2023年6月5日掲載)