【遠軽】仕事と観光を兼ねて滞在できるワーケーション施設が1、2日、町白滝地区と丸瀬布地区に相次いで開業する。国の地方創生テレワーク交付金を活用した町の事業で、それぞれ民間企業が運営を手がける。新型コロナウイルス禍が長引く中、拠点を自由に選ぶ働き方が注目されており、都市部の働き盛りを中心に人気を集めそうだ。
白滝 1階カフェ、2階は宿泊施設
白滝では1日、1964年に閉校した旧白滝小跡地に「自家焙煎珈琲と森のお宿 森の暮らし」(旧白滝157)がオープン。延べ床面積約130平方メートルの木造2階建てで、1階はデスクワークのスペースにもなるカフェ、2階は客室3部屋(6人まで宿泊可)を備える。
2020年に新規就農者で起業した「北大雪ファーム」が運営。同社共同代表の杉山大輔さん(42)と、妻で元町地域おこし協力隊員の智恵さん(42)が切り盛りする。利用者はジャガイモやスイートコーン畑で農業体験もでき、「1人でくつろいで仕事をするほか、家族で楽しんでもらうこともできる」と大輔さん。
自家焙煎コーヒー(500円)と道産素材にこだわった手作りのチーズケーキ(同)が自慢。智恵さんは「テレワーク施設ではあるが、町内や近隣の人に気軽に立ち寄ってもらいたい」と話す。不定休で、宿泊は朝食付き8500円など。問い合わせは(電)090・1304・1843へ。
丸瀬布 凝った内装、木のぬくもり
丸瀬布では「ワーケーションオフィス ENGARU(エンガル)」(丸瀬布上武利53)が2日に開業。飲食やホテルなどを展開する「長谷川トラストグループ」傘下のIT企業「DBX HLDGS」(東京、寿永隆之代表)が運営する。同グループの長谷川芳博会長が遠軽出身で、地方創生事業に長年取り組んできたことが縁で実現した。
集会所だった町有施設を改装し、ソファやテーブルなどを設置。室内をシラカバで装飾するなど、木のぬくもりにあふれる内装にした。コンセントとWi―Fiは全席完備で、貸し出し用ノートパソコンを21台用意。オンライン会議などに適した個室が2部屋ある。いずれの設備も無料。
丸瀬布森林公園いこいの森など周辺施設と合わせた利用を見込んでおり、「(首都圏の会社員が)公園のベンチでパソコンを開いて作業するようなイメージ。手軽に観光と仕事を両立できる」と寿永代表。午前10時半~午後4時。火、水曜日定休で、いこいの森が閉園する冬期間は休業する。(元井麻里子、佐藤諒一)
(北海道新聞2022年6月1日掲載)