【石狩】石狩鍋の独自レシピ開発で地域活性化を進めている一般社団法人「石狩シェアハピシティ計画」が、4作目となる「石狩シャケナベイベーNEO(ネオ) 海鮮石狩鍋」を公式サイトで公開している。三笠高校(三笠市)の生徒がイタリア料理のシェフの協力を得て考えた。同法人は全国のご当地鍋を集めたイベント開催を目指しており、新作の開発がその弾みになることを期待している。
若い世代の考えを取り入れ、石狩鍋の普及の足がかりにしようと、道内唯一の食物調理単科高の三笠高調理部にレシピ開発を依頼した。同法人とつながりのあるイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」(山形県鶴岡市)のオーナーシェフ奥田政行さん(53)にも協力を求めた。
新作の海鮮石狩鍋はフランスの鍋料理ブイヤベースを参考にして、アサリやホタテを煮て、トマト味に仕立てる。奥田さんの助言で、仕上げにミニトマトを入れたところ酸味のキレが増したという。同高2年の渋谷二美(つぐみ)さん(16)は「コクのあるスープを飽きずに楽しめる」と話す。レモン果汁やペッパーソースなどで味の変化も楽しめる。
レシピ作りは昨年8月に始まった。同9月の「厚田ふるさとあきあじ祭り」で商品を試作販売したほか、同法人が北日本の名物鍋を東京などの飲食店で振る舞った同11月の「北国郷土鍋フェア」でもお披露目するなどして改良を重ね、今年1月に完成させた。3月からサイトで公開している。
石狩鍋の普及を目指すレシピシリーズ「石狩シャケナベイベーNEO」は2021年に始まり、これまでに「ゴマ豆乳」「旨辛」「イタリアン」の3作の調理方法などを動画で紹介している。このうち、ゴマ豆乳と旨辛の二つは昨年12月、イオン北海道が商品化し、道内全店で販売した。
新作の海鮮石狩鍋の開発を踏まえ、「鍋フェア」の第2弾の開催を検討している石狩シェアハピシティ計画の関聖二代表(40)は「鍋料理を通じて石狩のファンと、石狩を訪れる人を増やしたい」と話している。(和賀豊)
(北海道新聞2023年6月22日掲載)
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