「クマもヨダレが出る美味しさの『北海道二海(ふたみ)サーモン』」を食べることができるフェアが6日から始まります、との案内をいただき、札幌市中央区のホテルポールスター札幌にお邪魔しました。
北海道二海サーモンは、八雲町が2019年度から海面での試験養殖を始めたトラウトサーモン(ニジマス)です。ひやま漁協熊石支所サーモン養殖部会と連携し、本来、淡水で育つ陸封型のニジマスを、海で育てています。日本で唯一、日本海と太平洋の2つの海に面する八雲町の新たな「顔」ということで、ブランド名に「二海」の文字を入れたそうです。
フェアの会場は、ポールスター札幌1階レストラン「Dining&Bar179」です。ポールスター札幌は、北海道市町村職員共済組合が運営しているホテルで、レストラン名は道内の自治体数を表すだけあって、道産食材を主流に提供しているレストランです。
フェアは6月30日まで。ランチタイム(11時30分~14時30分)とディナータイム(17~21時)の両方で二海サーモンを使った料理がふんだんに楽しめます。
この日のお目当ては「スペシャルランチ」(1300円)です。10日まで数量限定で8、10日は和食、7、9日は洋食のスペシャルランチを食べることができます。
初日(6日)は和食の日でした。
藤田伸幸総料理長は「非常に脂がのっていて良い食材。焼き物はふっくらと美味しく、生食は少し酸味をきかせると非常に合う」とメニューについて説明してくれました。お造りは「炙り」と「刺身」の2つの異なった味が楽しめます。前菜には「なめろう」「ユッケ」「アボカドタルタル」、そして焼き物と、これでもかっ!と堪能できます。宗谷産のもずくの天ぷらや、伊達の滋養卵など、他の食材もオール北海道と嬉しい限りです。中でも焼き物の「北海道二海サーモン 幽庵焼き もずく天ぷら」は、非常に豊かな味でした。諸事情により冷めてから食べることになりましたが(本当にごめんなさい!)、焼き立ては、そりゃあもう絶品だと思われます。噂では、洋食メニューでも同じく焼き物の「ソテー」がなかなからしいです。
八雲町での養殖事業の始まりは、近年の秋鮭の不漁や養殖ホタテの原因不明の大量死など水産業界を取り巻く環境が厳しくなっていることが背景にあるそうです。新しい水産資源をつくることで、地域産業の活性化を目指すものです。
養殖によるサーモンのブランド化は、ノルウェーサーモンをはじめ、チリ産、タスマニアサーモンなど海外産のほか、日本各地でも進んでいて、業界では「養殖サーモン戦国時代」と呼ばれています。天然ものが豊富に獲れていた北海道は、この戦いでは、実は、非常に後れを取っているんです。
採算面など、これから乗り越えなければならない課題もあるそうですが、2020年に初水揚げして、町内で販売したところ、すぐに完売。その美味しさから「買いたい」との要望が相次いでいます。ただ、今年の水揚げも約3500匹と数に限りもあり、なかなか食べることができない貴重な存在です。
ちなみに、二海サーモンは、体長30~35センチ、体重700~800グラムほどに育てた幼魚を秋に海のいけすに放ちます。魚粉、大豆油、甲殻類のエキスなどを餌にあげながら、海で冬を越し、水温が高くなる前、ちょうど今時期に全て水揚げするそうです。
なので、今が二海サーモンの「旬」という訳です。
漁獲時には1匹3.4キロほどと、約半年間で4~5倍に育つそうです。驚異的な成長っぷりは、選抜された優秀な卵と、海の恵みのなせる技といえます。
ポールスター札幌では定期的に今回の八雲町のように自治体ランチをやっているので、事前チェックしている人も多く、初日はオープンから1時間ほどでスペシャルランチが完売していました。
「10日まで行くことができない」という方は、ぜひディナータイムに。マリネ(800円)、お造りと炙り(1000円)、ソテー(1000円)などなど、各種取り揃えてあります。ぜひ美味しいお酒と共にご堪能いただきたいところです。
背骨に付いた中落ち部分を香ばしく醤油であえた一品を「たまに朝食に出すかもしれません」と藤田総料理長。また6月20日からは、これまで週末開催していた「ランチブッフェ」を平日にも拡大予定なので、そこにも二海サーモンが登場する可能性もあるらしいですよ。見つけたら、必ず手にとってくださいね。
八雲町サーモン推進室の田村敏哉室長は「新たな産業として形作っていきたい。まずは食べてみて、もし『美味しいね』『私好みの味』という風に思ってもらえればありがたいですね」とPRしてました。二海サーモンは、八雲町のふるさと納税の返礼品にもなっています。
<ホテルポールスター札幌1階レストラン「Dining&Bar179」>札幌市中央区北4西6。TEL:011・330・2534。ホテルHP(https://www.polestar-sapporo.com/)