【深川】ラ・カンパーニュホテル深川が拓殖道短大(深川)と協力し、短大で育てた野菜などを使った「ふかがわマリアージュカレー」を開発、販売を始めた。繰り返し試食した学生の意見を取り入れ、コクと爽やかな甘さを両立させたレトルトカレーとなった。
短大農学ビジネス学科の実験実習農場で育てたタマネギとニンジンを粗いピューレ状にしてベースとし、ルーカレーとスープカレーの中間のような食感とした。市内の藤谷果樹園のリンゴ、短大が開発した黒米の甘酒など地元産食材を使い、具材の道産牛でコクを増した。商品名は「地元産の良い素材を組み合わせた」との意味を込め「結婚(マリアージュ)」を使った。
学生の意見を取り入れ、昨年の試食会時よりも酸味をやや控えめにした。同短大で7日に発表会を開き、試食した参加者からは「味に深みが出ておいしい」などと高い評価が出た。料理責任者を務めるホテルの林琢磨総料理長(44)は「爽やかな酸味がカツの衣に合うため、個人的にはカツカレーに適していると思う」と話した。
レトルトカレーの企画は「深川を代表する商品を作りたい」とホテル側が昨年秋、短大に協力を打診したのが始まり。短大は11月から後期特別講座を組み、1、2年生計10人が味に意見を出したり、パッケージデザインやネーミングを考えたりした。同学科地域振興ビジネスコースの田村知也さん(2年)は「味を決める過程で苦労した。カレーを通して深川の魅力を発見してほしい」と話した。
210グラム入りで800円。ホテルのほか道の駅「ライスランドふかがわ」、JR深川駅構内の深川物産館などで販売。市のふるさと納税返礼品にも採用された。 (佐藤大吾)
(北海道新聞2023年7月12日掲載)
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