【むかわ】町春日でエゾシカの食肉処理場「むかわのジビエ」を運営する町内のハンター本川哲代(あきよ)さん(49)が新商品「チーズカレー鹿肉まん」を開発した。2016年に処理場を開設して以来、地元で捕れるエゾシカ肉を使った加工品などを開発し、現在チーズカレー鹿肉まんを含め6種類を販売する。本川さんは「シカ肉がシシャモと同じように、むかわの特産品になってほしい」と話す。
本川さんが昨夏から開発を進め、6月下旬に完成させた。粗めのひき肉を香辛料やチーズを使ったカレーソースで味付けして具を作り、スパイシーさとシカ肉の力強いうまみが互いに引き立て合う一品に仕上げた。1個150グラムで、製造は滝川市の食品メーカー、楽楽食品が担当。今後、購入者の声を反映しながら、肉の分量などさらに改良を重ねていく予定だ。
本川さんは札幌出身。11年に狩猟免許を取得後、翌年にむかわ町へ移住した。商品に使うエゾシカはほとんどが本川さんが狩猟したもので、解体と加工も手がけている。これまで、ハンバーグやミートソース、穂別地区のシイタケを加えたフランクフルトなどを開発。苫小牧や札幌、東京などのレストランにシカ肉を出荷し、ペットフードも作っている。
町によると、2021年度のエゾシカによる農作物被害は1億2070万円。本川さんにも駆除の依頼が来るが「エゾシカをただ悪いだけの存在にはしたくない」と商品開発を続けてきた。「命を奪った以上は、上手に料理しておいしく食べるための努力を怠らないことが大事」と力を込める。
チーズカレー鹿肉まんは、冷凍3個入りで町内の特産物直売所「ぽぽんた市場」で1400円で販売している。インターネットショップでは「北海道絶品 星野商店」で1296円(送料別)で購入できる。問い合わせは本川さん、電話090・9527・2930へ。 (本田みなみ)
(北海道新聞2023年7月13日掲載)
具材 道産チーズ100%*「ハピまん」リニューアル