【標津】町出身の亀田亮太さん(32)が、故郷にUターンし車中泊向けの宿泊施設「トマリステイアンドカフェ」を町忠類の国道335号沿いに開業した。根室海峡に面した一軒家を改修して共用スペースとしたほか、車中泊ができる駐車スペースからは北方領土・国後島の眺望を満喫できる。6月中にカフェも始める予定だ。
施設は4月1日オープン。共用の木造2階建て住宅にはトイレやシャワー、キッチンや洗濯機などを置いた。駐車場を車中泊区画とし、客自身の車で泊まってもらう。1区画の広さは70平方メートル。6区画を設け、料金は車1台と大人1人で1500円。人数が1人増えるごとに500円加算する。小学生以下は無料だ。
亀田さんは札幌の専門学校を卒業後、長野県白馬村のスキー場や飲食店などで働いた。新型コロナウイルスの影響で仕事が激減したことから経験を生かして宿泊施設を開こうと昨年3月に帰郷した。当初は一般的な民泊施設を検討したが、「部屋数などから泊まれる人数が限られる」と悩んでいたところ、友人から「車で寝てもらえば」と助言を受け車中泊向け施設とした。
「ゲストハウスと車中泊という新しい滞在の形。足を伸ばしたいときは共有スペースで過ごしてほしい」と亀田さん。周辺には街灯がほとんどなく「夜は満天の星、朝は国後からの日の出を楽しめる」と語る。6月中に開くカフェは一般客も想定し、コーヒーなどを提供する予定だ。(田中華蓮)
(北海道新聞2022年6月7日掲載)