洞爺湖と有珠山、噴火湾に囲まれた自然豊かなまち洞爺湖町。その洞爺湖町産の食材を使ったランチとディナーのコース料理を、札幌市中央区北5西5のセンチュリーロイヤルホテルが提供しています。洞爺湖温泉街のブルワリー「Lake Toya Beer」が町特産の赤しそを使って限定醸造したクラフトビールもあり、8月14日には、下道英明町長らがコース料理を試食、地元食材の魅力を改めて確認しました。
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安全・安心の取り組み推進 雪蔵貯蔵のジャガイモも JAとうや湖
地元の農協JAとうや湖は安全・安心な農産物を生産するクリーン農業に取り組んでおり、2009年には全国の農協で初めて、農産物の生産工程の安全性などを確認する国際認証「グローバルGAP」を取得。低農薬で生産した農作物に与えられる道の「YES!clean(イエス・クリーン)」認証も受けています。雪の冷気を農作物の保存に利用する「雪蔵貯蔵施設」でジャガイモを熟成させてデンプンを糖化させた甘い「雪蔵馬鈴薯(ばれいしょ)」も出荷しています。
今回のフェアは3回目。8月1日から31日まで、ホテル19階の「日本料理 北乃路」と23階の「スカイレストラン ロンド」で、ランチとディナーのコースを提供しています。
50本限定販売 町特産の赤しそビール
赤しそのクラフトビールは、フェアに合わせ250本を醸造し、うちセンチュリーでは50本を限定販売。ホテル内の両レストランで330ミリリットルのボトル(1500円)で提供しています。ルビー色がとてもきれいです。赤しその香りとさわやかな酸味があり、夏にぴったりとのこと。コース料理の前に、下道町長とJAとうや湖の高井一英組合長、洞爺湖町ふるさと応援団員2人が乾杯します。
ロンドで提供している洋食「洞爺ベジランチ」
下道町長らがロンドで提供している「洞爺ベジランチ」(4800円)を、高井組合長らが北乃路で提供している「洞爺美菜膳」(同)を試食します。
まずはベジランチの紹介から。最初に、雪蔵馬鈴薯「とうや」のポテトサラダとスイートコーンの冷製ポタージュが供されます。とうやは一冬、雪で低温と湿度を保った倉庫で貯蔵し、甘みが増しています。冷製ポタージュに使うスイートコーンは今年、天候が良く、例年より糖度が乗っているそうです。
財田米(たからだまい)のババロア仕立て 海の幸のマリネは町内産の「財田米」のババロアに、前浜で上がった海産物のマリネや野菜のソースをあしらいました。財田米は洞爺湖のほとりの財田地区で栽培されており、年間出荷量200トン余りで「まぼろしの米」と言われるほど希少。2018年には、蘭越町のおいしい道産米を決める「米-1(こめワン)グランプリin蘭越」でグランプリを獲得しています。財田地区は香川県の旧財田(さいた)町(現三豊市)からの入植者が開拓した地区で、地名の読み方は違いますが、香川の財田地区で生産したお米も、「財田(たからだ)米」として売り出しているそうです。この「財田米」は和食のご飯でも使われています。
「野菜の入った牛肉のグラタンを軽くスモークして」と「お魚のポワレ 野菜入りチャウダーソースで 北海道産赤紫蘇(しそ)の泡」が出された後、「とようらポークのコンフィー 野菜と豆のソースで」が登場。豆のソースがたっぷりかかった豚肉のコンフィーに、ジャガイモ「とうや」やニンジン、ブロッコリー、ズッキーニなど洞爺湖町産の野菜がたっぷり添えられています。
デザートは「スイートコーンを使ったブラウニー湖畔仕立て 太陽に見立てたアイスと共に」。ブルーキュラソーのゼリーが洞爺湖を、ブラウニーが洞爺湖に浮かぶ中島を、赤いアイスが太陽を表現しているそうです。
洋食調理部調理長の古川浩気さんは「昨年6月に洞爺湖町を訪れて畑を見せてもらいました。今回のメニュー開発には、そこでのインスピレーションを生かしました。改めて食材の魅力を感じ、たくさん使っていきたいですね」と言います。
ランチを試食した下道町長は「一口ひとくちが驚きの連続でした。食材の良さももちろんあるのでしょうが、シェフが魅力を十分に理解して引き出してくれています。洞爺湖町の食材に自信を持っていいと確信しました」と感激していました。
北乃路で供されている和食「洞爺美菜膳」
続いて美菜膳の紹介です。
一皿目は「野菜色々と豆のサラダ仕立て」。トマトやトウモロコシ、カボチャ、ニンジン、ジャガイモなど色とりどりの野菜が美しくカットされて盛り付けられた四角いお皿の四隅には、スイートコーンやトマト、ニンジン、タマネギなどの4種類のソースが添えられています。
スイートコーン入り冷製スープが足の長いカクテルグラスで提供され、お造りが出された後、焼きナスと蒸し鶏のゴマみそかけとミネストローネです。
そのころ、テーブルの横では、2つの釜からもくもくと湯気が出ていました。財田米の釜炊きご飯です。固形燃料で、10数分加熱すると炊き上がります。
ご飯には、ジャガイモ「とうや」とスイートコーン、カボチャが炊き込まれ、においだけでもほくほくした甘さが伝わってきます。その後、デザートで締めです。
和食調理部副調理長の庄司直哉さんは「ジャガイモやカボチャ、トマトなど素材自体が良く、カツオだしなどシンプルな味付けでうまみが広がるので、うれしく思いながら使わせてもらいました」と話します。
国内2カ所 見納め「回転レストラン」 来年5月までの営業
ところで、試食会の会場となった「スカイレストラン ロンド」は、国内で2カ所のみのシティホテルの「回転レストラン」。もうひとつはリーガロイヤルホテル京都(京都市)です。両ホテルは9月6日を「ぐるぐる」にかけて「回転レストランの日」として、提携フェアを実施しています。来年5月にクローズとなるセンチュリーにとって、今年9月6日は最後の回転レストランの日になります。
ロンドは、センチュリーが開業した1973年から回っています。現在は1周するのに約3時間かかりますが、開業当初は1周1時間だったそう。「早すぎる」「目が回る」という声を受けてだんだん遅くなり、今のペースになりました。
回っているのは客席のある円の外側のドーナツ状の部分だけで、トイレやエレベーターのある22階に通じる中心部は固定されています。トイレや帰りのエレベーターにつながる入り口は「テレビ塔のある方向」だそうです。
ホタテの貝殻の風鈴やたんざくも 2階ロビーで展示
また、ロビーのあるホテル2階では期間中、洞爺湖町の魅力を映像で紹介するロビー展や洞爺湖町にある虻田神社とコラボレーションした飾り付けをしています。洞爺湖町の特産品で、貝殻の形が扇状で「末広がりで縁起がいい」とされるホタテの貝殻を糸でつないだ風鈴をぶらさげ、来場者に願い事の短冊を書いてつるしてもらっています。終了後は虻田神社に奉納するそうです。
「洞爺湖町フェア」として、ロンドではほかに、「シェフ古川のパスタランチ」(2500円)とディナータイムに「洞爺ベジディナー」(9800円)を、北乃路ではランチで「季節の炊きたて釜飯膳」(3800円)とディナータイムに「洞爺美菜懐石」(11000円)も提供しています。
フェアの詳細はこちら(https://www.cr-hotel.com/restaurants/topics/fair_2308/)
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