札幌の市街地を流れる豊平川に親しみ、川辺での時間を楽しむ「川見」が2023年8月19日、札幌市中央区の幌平橋たもとの豊平川河川敷で始まりました。屋台やキッチンカーが並び、飲食物を提供しているほか、子ども向け遊具も設置され、家族連れや近所の人たちが川のせせらぎを聞きながら思い思いに夏を楽しんでいます。27日まで。
川見は、「花見」や「月見」のように川を眺め、川の近くに集まって楽しむ文化をつくろうと、2017年に初めて開かれました。20、21年は新型コロナの影響で中止しましたが、昨年から再開。今年は初めて、平日も開催し、これまでで最長の27日までの9日間実施します。
河川敷には、空気で膨らませた「ふわふわ遊具」が2基設置され、子どもたちが自由に遊んでいます。このほか期間中、川釣りの体験や水辺の水生生物の観察会などの講座も開かれます。
この日は、子どもたちがバトントワラーを披露。おそろいの衣装に身を包んだ子どもたちが、ポンポンやバトンを手に、音楽に合わせて踊ったり、バトンを振ったりしながら、かわいらしい表情を見せていました。
河川敷には、たこ焼きやクレープ、おにぎり、カレーなどの屋台やキッチンカーが毎日、10店以上並びます。
札幌青年会議所(JC)は、韓国・東大邸青年会議所との姉妹JC締結50周年を記念して、韓国料理の屋台を出店。日本でも人気の甘辛いヤンニョムチキンや韓国風焼きうどん、あんとバターが入った韓国屋台の定番おやつ「ホットク」などを各600円で販売しています。本場・韓国の調味料を取り寄せ、和風だしも加えて食べやすく仕上げているそうです。
カリカリの食感の「韓国風フライドチキン」や東大邸名物のホルモン焼「マクチャン」も人気だそうです。
幌平橋近くの居酒屋「Ougi(オウギ)」は、フライドポテトと果実酢のドリンクの屋台を出店。フライドポテトは、芽室町産のジャガイモ「マチルダ」を使用。店主の宿村大悟さんは「ホクホクしているのに、ねっとり。男爵とメークインの中間のような感じです」と話します。味はプレーンのほか、チーズとトリュフマヨがあり、各700円。飲み物はイチゴ酢やパイン酢、もも酢などをサワーやハイボールなどで提供しています。
また、9月17日までの午後6時から午後10時まで、幌平橋に取り付けた約3万個のLEDが点灯、ライトアップしています。周囲のマンションの明かりも借景に、幻想的な雰囲気をかもし出しています。
川見実行委員会会長の神代(くましろ)晃嗣さんは「春は花見、夏は川見と、札幌発の新しい文化にしたい」と話します。河川敷は広々としており、河畔林も豊かな豊平川。神代さんは「200万都市の中心部にこれだけの自然が残っているのに、活用されておらず、もったいないと思った。川原に集って、川辺にたたずみ、水の流れる音を聞きながら、ゆったりした時間を過ごしてみてほしい」と呼びかけます。
当初は、芸能人を招いたステージショーやイベントなども実施していたそうですが、来場者のアンケートなどには「川の音を聞いてのんびり過ごしたい」という声があり、神代さんも川辺でゆっくり過ごす時間のぜいたくさを感じ、今年はステージの設置もやめたそうです。
川見が始まって7年目。神代さんは来場者から「きょうは川見びよりだね」と声をかけられ、定着してきたと感じ、「川見が心地いいものだと受け入れられた」とうれしかったそう。今年はこれまでで最長の開催日で、「たくさんの人に楽しんでほしい」と来場を呼びかけています。
川見は27日までの午前11時から午後8時。最終日は午後4時まで。体験イベントの実施日程は次の通り。
▽「川釣り」を通して出会える自然環境や野生の生き物について知ろう!(21日午後11時半~午後7時、24日午後7時~8時、25日午前11時半~午後8時)
▽川と釣りを知るトークセッション(24、25両日の午後7時~8時)
▽水生生物の採取と観察、リリース体験(26日午前10時半~11時半、午後2時~3時半)※札幌市豊平川さけ科学館協力