第56回おたる潮まつりの実行委員会は9日、今年の祭りを7月22~24日に3年ぶりに通常開催すると正式に決め、概要を発表した。メイン行事のパレード「潮ねりこみ」は感染対策で距離を短縮して行う一方、神輿(みこし)などのイベントは取りやめる。例年2日間だった人気の花火大会は最終日のみとし、道央圏では初となる3尺玉の大玉花火を打ち上げる予定。
初日の22日は実行委などが祭りをPRする「潮ふれこみ」や開祭式を実施。2日目の23日は、潮音頭と潮踊り唄に合わせて踊る「潮ねりこみ」を行う。
例年は花園グリーンロードから小樽港第3号埠頭(ふとう)のステージまで約1・6キロかけて進むが、今年は出発地点を小樽サンモール一番街商店街に変更し、距離を約半分にする。
例年通り、おたる潮太鼓保存会は和太鼓の演奏で先導する。ねりこみの飛び入り参加は禁止で事前申し込みが必要。6月20日まで実行委で受け付ける。
最終日の24日は、祭りのフィナーレを飾る「道新納涼花火大会」(北海道新聞社小樽支社主催)を行う。色内ふ頭公園から花火約2千発を、海上の台船から3尺玉1発を打ち上げる予定。3尺玉は直径約550メートルになる。実行委や花火業者によると、道内では釧路市内の催し「釧路大漁どんぱく」でしか打ち上げられたことがないという。
第3号埠頭周辺での露店の出店は3日間行われ、例年より2割程度少ない約120店に絞る。
2020年は新型コロナウイルスの影響で中止、21年はオンライン会議システムZoom(ズーム)で踊りを配信するなど縮小して開催した。今年のテーマは「やっぱり夏は潮だね」とし、来場者に3年ぶりの祭りを楽しんでほしいとの思いを込めた。
中野豊実行委員長(67)は「コロナ前は100万人の観光客が訪れたイベント。落ち込んだ小樽経済が盛り上がるきっかけになれば」と期待した。
一方で感染防止のため、船舶15隻ほどが港内をパレードする「潮わたり」や神輿は中止する。神輿団体「小樽北海睦」の関博之会長(66)は「非常に残念。今年できなかった思いをバネに、来年に期待したい」と前を見据えた。(矢野伶奈)
(北海道新聞2022年6月10日掲載)