室蘭市中島町1のシャンシャン通り沿いに、市内では珍しい親子丼専門店「東京親子」がオープンし、連日にぎわっている。人気の秘密は卵の「ふわとろ」の食感。卵白を泡立てたメレンゲと卵黄をのせた一品など、見た目がユニークな親子丼もあり、オーナー兼店長の宮下正幸さん(60)は「専門店ならではの味やメニューの豊富さを堪能してほしい」と話している。
室蘭出身で、飲食業界に30年以上携わってきた宮下さんが、8月上旬に開業した。しょうゆ、塩、みその3種類の親子丼(770~920円)を軸に、メレンゲと黄身をのせた「大とろ親子丼」(920円)や、豚肩ロースの焼き鳥串をのせた「室蘭親子丼」(1040円)などのメニューもそろえた。
白老と伊達の鶏卵業者から仕入れる卵の味を生かすため、シンプルな味を心掛けている。コメは空知管内沼田町特産の雪中米ななつぼしを使う。店内はカウンター6席とテーブル14席でランチ時間帯には満席になる。初めて来店した自営業、須藤大介さん(46)は「卵がふわっととろけるよう。肉も柔らかく歯触りがいい」と満悦だった。
宮下さんは10年前に東京から帰郷し、地元の焼き鳥店の店長をしていたが、独立を決意。「コストと手間が少ない一方で、ランチでは一番人気」の親子丼の専門店を始めようと、独学で研究を重ねた。宮下さんは「次男も店を手伝ってくれている。親子でマチを盛り上げたい」と話している。営業時間は午前11時11分~午後10時。月曜定休。(広川春男)
(北海道新聞2023年9月3日掲載)