小樽市高島1の水産加工会社「小樽海洋水産」(松田亙社長)が1日から、ショートケーキとタルトに似せた新商品、冷凍「すしケーキ」の販売を専用サイトで始めた。甘エビやホタテを酢飯に飾り付け、1個2千円程度の高級路線で売り出している。「ばえる(映える)」見た目で、交流サイト(SNS)などで話題にしてもらうことも意識。同社の新たな売れ筋に育てたい考えだ。
すしケーキは2種類でともに手のひらサイズ。タルト型は直径10センチ、高さ2センチの円筒形の酢飯上に甘エビかホタテを載せ、中央にイクラをあしらった。4個入り9千円(送料別)。ショートケーキ型の主な具材はカニか、マグロとサーモンで、海鮮と酢飯を交互に重ね合わせている。4個入り1万1千円(同)。
同社は昨年夏に、上下左右さまざまな方向から冷気を当てることができる急速冷凍装置「3Dフリーザー」を導入した新工場を約1億円で建設。零下40度で短時間で冷凍するため海鮮などの鮮度が保たれる特長を生かし、ケーキ型冷凍生ずしの開発を進めていた。
松田社長は「ケーキが定番の誕生日に限らず、敬老の日などでも甘い物よりも生ずしを喜ぶ人たちは多い。写真映えするのでパーティー需要もある」と期待する。単価が高いこともあり、新たな客層の開拓も目指して開設したインターネット販売サイト「UOTAL(ウオタル)」で取り扱う。外国人富裕層が多く滞在するニセコエリアでの日本食需要の取り込みも狙い、営業攻勢をかける考えだ。
同社は3Dフリーザーを活用したミニ海鮮丼やカップ入りミニすしも開発中。これらは小樽市のふるさと納税の返礼品への採用を視野に入れており、松田社長は「ミニすしをきっかけに冷凍すしケーキの存在を知ってもらい、新規の購入へとつなげていきたい」と話す。 (石垣総静)
(北海道新聞2023年9月5日掲載)
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