【七飯】町大川5のセレクトショップ「Constella(コンステラ)」は、規格外の野菜を冷凍した商品「ベジフルパレット」を今年に入って順次販売している。農家が出荷できずに捨てられてしまう野菜を活用し、簡単に調理を済ませたい人や1人暮らしで野菜を余らせてしまう人に使ってもらいたいと企画した。今後は野菜の種類を増やすほか、冷凍野菜を使った料理のレシピを添えて販売していく考えだ。
函館市で飲食店「まるたま小屋」を営む北見伸子さん(51)が、知り合いの農家から規格外野菜の多くが廃棄されると聞いたことがきっかけで、「規格外の野菜を捨てないで利用する方法を考えよう」と3年前にプロジェクトを始めた。現在は七飯在住の女性ら5人で活動している。
野菜は七飯町と近郊で採れたもので、大きすぎたり形がいびつだったりと販売できないものを使う。メンバーは、プロジェクトに賛同する農家の畑で収穫した野菜を機械などで細かく切り、「コンステラ」の隣にありメンバーの一人が所有する調理場で密封する。急速冷凍機でマイナス30度まで約20分で一気に冷凍させることで鮮度と栄養を保ち、うまみが凝縮されるという。昨年は5戸の農家からニンジン、タマネギなど8種類の野菜を仕入れた。
メンバーの森奈央さん(46)は、「栄養満点なのに捨てられる野菜を、忙しくて栄養バランスが偏りがちな方に届けられたら」と意気込んでいる。現在はスライスしたタマネギ(500グラム400円)や細く刻んだニンジン(120グラム150円)、ブルーベリー(200グラム400円)などを販売している。今後はプロジェクトに参加する農家を増やして野菜の種類も増やしていく方針。「コンステラ」は日、月定休。午前11時~午後4時。問い合わせは同店、電話0138・83・1290へ。(足立結)
(北海道新聞2023年9月23日掲載)