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2023.10.08

From北海道新聞

音威子府 酪農家がジェラート店*村唯一の名徳牧場 9月30日開店*イタリア製マシンで10種展開

北海道新聞記事
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30日オープンのジェラート店の前に立つ名徳知記さん
30日オープンのジェラート店の前に立つ名徳知記さん

 【音威子府】村内唯一の酪農業を営む名徳(みょうとく)牧場が30日、ジェラート店「ジェラテリア ザ グリーングラス」を村中心部の国道40号沿いにオープン。牧草からこだわって生産した同牧場の生乳を使用し、イタリア製のジェラートマシンで製造する。人口減少に伴い、村内では店舗などの閉店が相次ぐだけに、代表の名徳知記(とものり)さん(34)は「ファンがついて定期的に村に来てくれるような店にしていきたい」と意気込む。

 店舗は、北はるか農協音威子府支所跡地に新築した。いちごなどの「ベーシック」、ピスタチオなど本場イタリアで人気の「クラシック」、地元産フルーツトマトやカボチャを使った「ローカル」、ニュージーランドや韓国など海外で人気のジェラート「ワールド」といったジャンルに分け、常時約10種類を販売する。看板メニューは「こだわりミルク」。夏季と冬季で乳牛が食べる牧草が変わることから、夏はあっさり、秋冬は濃厚な味わいという。

 大阪府出身の名徳さんは北大大学院で農業経営を学んだ後、2015年3月に村に移住。17年4月に牧場を開設した。現在は乳牛45頭を飼育し、放牧酪農に取り組んでいる。

 ジェラート店開店のきっかけは3、4年ほど前から村民から「牧場の牛乳を使った製品を食べたい」との声が寄せられるようになったこと。名徳さんが就農した当時は村内に6軒の酪農家がいたが、高齢化に伴い、21年に名徳さんだけに。「音威子府はサイロが村章のモチーフになっているほど、村民にとって酪農への思い入れは強い。村民の声が後押しとなった」とただ一人の酪農家として生乳の6次産業化を決意。甘いものに目がない名徳さんが「自分が好きなものならこだわって作ることができる」とジェラート製造を決めた。

 地元大阪や東京での外販も予定しており、「妥協せず作った商品を物産展へ出品させたり、ふるさと納税の返礼品にもしていきたい」と話す。

 シングル450円、ダブル550円。金曜、土曜の週2日営業で、金曜は正午~午後6時半、土曜は正午~午後4時半(初日の30日は午後1~5時)。最新情報は同店のインスタグラム(@gelateriathegreengrass)へ。 (朝生樹)

(北海道新聞2023年9月28日掲載)

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