新そばの風味と秋の訪れを楽しむ「北海道そばフェス2023」が10月18日(水)、札幌市中央区の大通公園8丁目で始まりました。初日は好天に恵まれ、10時半の開幕からたくさんの市民が来場、チケットやそばの売り場には長い行列ができました。会場ではそば打ちの実演もあり、ビールやそば焼酎を片手にそばをたぐる人たちの姿がみられます。29日(日)まで(23、24両日は出店者入れ替えのため休み)。
幌加内町や北海道新聞社、道新サービスセンターなどの主催。幌加内町や新得町などで生産されたそばを使い、道内各地のそば店9店が、もりやかけ、カレーなんばん、かもせいろなどを販売。ビールや日本酒、そば焼酎などのアルコール類を提供するブースのほか、天ぷらやいなりずし、焼き鳥などのフード類を扱う5店も出店しています。そばは1杯800円(120グラム)で、トッピングはそれぞれ別料金です。
TripEat北海道編集部のそば好きメンバーが参戦しました。私は、ソバの作付面積、生産量ともに日本一の幌加内町産「きたわせ」をメーンに使ったもりをいただきます。幌加内町そば活性化協議会のメンバーが手打ちした二八は、淡い灰色で、そばの風味が感じられます。時々太めの部分もありますが、長さがしっかりあって、手打ちらしさ満点です。
もりだけではちょっとさみしいので、「てんぷら小野」で、マイタケ(400円)とホタテ(500円)、サツマイモ(400円)の天ぷらも追加。どれも注文を受けてから揚げてくれます。マイタケはからりとしていて、香りが口いっぱいに広がります。ホタテは5センチほどの貝柱が2個ついて、うまみがぎっしり。
サツマイモは三笠市の床岡農園で生産されたもので、厚さ4~5センチの大きめにカットされています。天ぷらを揚げていた職人さんが「塩もいいけど、バターやはちみつを付けてもおいしいですよ」と言うので、バターをひとかけ。「ほくほく」というより、しっとりなめらかな食感で、バターを付けるとスイートポテトのような味わいになりました。
編集部のメンバーは、札幌市内や八雲町などに店舗を構える「正直家」の「皮脂(ひあぶら)鶏セイロ」を選択。そばは下川町産で、少し緑がかった更科です。つゆには鶏皮の脂が溶け込み、柔らかい鶏肉がゴロゴロと入っています。「細麺でのどごしがよく、スルスル食べられた。店頭にあったサンショウが意外にぴったり合う」と話していました。
「長命庵」(札幌市)は、札幌市北区篠路の自社農場で生産したダッタンそばを使っています。別のメンバーは、「かけ」の大盛り(150円)にキノコ(300円)をトッピング。そばはダッタンソバ特有の黄色味を帯びています。「あっさりだしのつゆとの相性もよく、たっぷりのキノコで秋を感じる」と満足した様子です。
雄武町のそばを使う苫小牧市の「一休製麺」は、一番長い行列ができていました。「低糖質ダッタンそば鴨せいろ」を選んだメンバーは、鴨肉やそば、ネギがすべて増量になる「全部盛り」(500円)にしました。1センチほどの厚い鴨肉が、通常3枚のところ、全部盛りは6枚で、そばをつける隙間がないほど。「ダッタンそば特有の苦みは少し感じるが、つゆは鴨のうまみがたっぷり。食べ応え十分」と食べ進めました。
サイドメニューに「札幌海鮮丸」の「稲荷3種」も追加。つぼ漬け刻みとしそわかめ、梅しその3種です。薄めの甘い味付けのあげで、具を混ぜ込んで俵型にしたすし飯をくるんでいます。そばのお供にぴったりです。
もう1人のメンバーは「麺’s俱楽部ASMO」(札幌市)の「豆乳坦々蕎麦」をチョイスしました。黒く、太めのいなかそばで、共和町産。豆乳を使った濃厚な「特製坦々たれ」の汁に、辛みをきかせたひき肉がのっており、糸唐辛子とすりごまがたっぷりかけられています。口に入れた瞬間は、ぴりっとした辛さとまろやかな豆乳の担々麺の味わいですが、めんをかみしめると、しっかりそばの風味があります。「辛いのが好きなら、ラー油をかけてもおいしい」とすすっていました。
音更町の「そば工房ふたば」は大樹町産の「十勝海霧そば」を使用。食べたメンバーは「風味が豊かでのどごしもいい。滋味あふれる優しい味」と話していました。
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会社に戻ると、別の部署の同僚たちも「新そばフェスに行ってきた」と、写真を見せてくれました。和寒町産のそばを使った旭川市の「Com Dining」の「和寒雪割そば」の「かしわ」とのこと。富良野産のそばの札幌市の「北堂(ほくどう)」の「あつもりそば」は、冷たいそばを熱いつゆで食べるそうです。
会場では、そば打ちの実演をしていました。この日は、全麺協北海道支部のメンバーが、1キロのそば粉で、そば打ちを披露していました。そば粉に水を加える「水回し」をし、練った生地を空気を抜くようにして菊もみしてまとめた後、めんぼうでのします。厚みを均等にして、ひびの入りやすい四隅も細めの麺棒でしっかりのし、たたみます。
打ち粉をたっぷりかけて、こま板で押さえながら大きな包丁で切っていきます。コン、コンとリズミカルな音がして、1人前ずつ取り分けます。次々と切っていき、15人前程度のそばが完成しました。
仕事の都合で会場に行けなかった人のために、お土産を買ってきていた優しい同僚がいました。会社で写真を撮らせてもらいました。札幌海鮮丸の「王子サーモンロール」(800円)は、具に王子サーモンとクリームチーズなどを入れ、ごまがたっぷりかかっています。「ちょこちっぷ」の「そば粉のロールケーキ」(450円)は、スポンジとクリームに入っているそばの実が、いいアクセントになっており、優しい甘さだったそうです。
北海道そばフェス2023は、第1期として10月22日(日)まで開催し、24、25両日は休み。25日(水)に第2期がスタート、29日(日)まで実施します。期間中、午前10時半~午後8時半(ラストオーダー午後8時)。そばは1杯800円、そば1杯とドリンク付きは1250円、そば2杯とドリンク付きは2000円で、道新プレイガイドやセイコーマートのマルチコピー機で前売り券を販売しています。会場でも購入できますが、この日は長い行列ができており、事前購入がおすすめです。
問い合わせは事務局の道新サービスセンターの電話011・614・3944(平日午前9時半~午後5時半)へ。
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