【芦別】芦別市民会館内(北1東2)で「東京食堂」を営む佐藤法正さん(66)が、料理人を志す芦別高2年生3人とご当地コロッケを開発し、27日から同食堂で提供する。5大炭鉱で栄えた芦別の歴史や文化を食で伝えようと5種の具材でヤマをかたどり、新たな名物料理を目指す。
佐藤さんは芦別出身で料理人歴49年目。東京の和食店の料理長などを務め、2020年8月に「古里にくつろげる場所を」と同食堂を開業。休日は小学生の食育団体「芦別米米くらぶ」を主宰する。5月に芦別高から職場体験実習の協力依頼があり、「若者の力になれば」と快く引き受けた。
3人は斎藤羚利さん(17)、栗林由右斗さん(16)、寺島龍一郎さん(16)で、「おいしいものを作って人を笑顔にする仕事をしたい」と卒業後は全員料理の道を目指す。斎藤さんと寺島さんは居酒屋のアルバイトで経験を積んでいる。
芦別は三井や三菱など芦別五山と呼ばれた炭鉱で栄えた。「食で芦別らしさを伝えたい」という3人のアイデアを生かし、佐藤さんが芦別産ジャガイモをメインに、石炭をイメージした黒豆のほか、豚肉、紅しょうが、アスパラガスやニンニクの芽など「青物」の5具材を使いヤマをイメージして三角形に成形したコロッケを開発。「高芦ッケ(こうろっけ)」と名付けた。
3人は24日の職場実習で具材を混ぜて三角形に握り、パン粉を付けて揚げた。佐藤さんは「懐かしい味に仕上がった。名物料理に育てたい」と話す。高芦ッケは27日から、丼や定食(すべて680円)の小鉢として提供する。土日祝休。午前11時~午後5時。(森田彰)
(北海道新聞2022年6月25日掲載)