【沼田】町産の加工用トマトを使った「完熟トマトジュース 無塩」が、健康に良い機能を持つ商品を認定する道の食品機能性表示制度「ヘルシーDo(ドゥ)」に認定された。「加工用トマト生産量日本一」を目指す町はトマトジュースの消費拡大や、加工用トマトの生産量増加に弾みが付くと期待を込める。
トマトジュースは、町産トマト「なつのしゅん」を使い、町営農産加工場を指定管理する会社「コーミ北のほたるファクトリー」が生産。町が昨年5月に道に申請し、9月に認定された。有効期間は3年間。有塩と無塩があり、昨年は計約44万本を製造している。
ジュース1缶(190グラム)内にアミノ酸の一種「GABA(ギャバ)」が44・7ミリグラム入っており、認定された。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)によると、GABAを1日に20ミリグラム以上摂取すると血圧低下、28ミリグラム以上摂取するとストレスや疲労感を軽減する効果があるとされる。
また同社は10月に町産トマトを使ったパスタソース3種、カレーやシチューなどに使えるトマトピューレを新たに開発し、販売を始めた。同社の仲野英明事業統括部長は「町産の加工用トマトが良質なのは、トマトジュースが道に認定される前から分かっていた。ジュース以外にも活用しようと思った」と商品開発の狙いを話す。
沼田町トマト生産組合(27戸)による加工用トマト「なつのしゅん」の生産量は、昨年は猛暑の影響もあり、過去最多だった22年の398・2トンを下回る330・4トンだった。
町農業推進課の塩田崇主幹は「ヘルシーDo認定と新商品により、沼田が作る加工用トマトの認知度が高まる」と話している。(佐藤大吾)
(北海道新聞2024年1月3日掲載)