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2024.01.29

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道産メープルシロップ 当別から*カナダ出身ギャニオンさん 町内に拠点*品質高めブランド化狙う

北海道新聞記事
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カナダから取り寄せたメープルシロップの製造機を前に「母国でも認められる商品を作りたい」と話すマーク・ギャニオンさん
カナダから取り寄せたメープルシロップの製造機を前に「母国でも認められる商品を作りたい」と話すマーク・ギャニオンさん

 【当別】札幌市西区でメープルシロップ専門店「ギャニオン」(山の手2の1)を営むカナダ出身のマーク・ギャニオンさん(56)が、道産メープルシロップの生産に町内で乗り出す。当面は町内のイタヤカエデの樹液から作る予定で、拠点となる製造施設「北海道メープルハウス」を昨年12月、町獅子内に完成させた。施設ではシロップ作りの講習なども計画し、カエデが育つように豊かな森づくりも行う考えだ。

 メープルシロップは菓子や料理に使われ、カナダが世界最大の産地になっている。ギャニオンさんは約20年前、結婚を機に妻和香(わこう)さん(47)の出身地である札幌に移住。当時、日本に「おいしいメープルシロップがなかった」ため、母国からの輸入販売を始めた。

当別町での製造拠点となる「北海道メープルハウス」
当別町での製造拠点となる「北海道メープルハウス」

 当別に構えた製造施設は地域の集会所などとして使われた建物を改装した。専用の製造機をカナダから輸入するなど、整備に約1200万円をかけた。

 今年は2、3月に近くの山林のイタヤカエデから樹液を採取し、製造機で煮詰めてシロップを作る。1年目は試作段階のため商品化せず、品質を見極めた上で2年目以降、「北欧の風 道の駅とうべつ」などでの販売を目指す。高品質の道産シロップを母国の品評会に出品するのが目標だ。

 ギャニオンさんは樹液の採取方法を学び、道内各地でメープルシロップを特産にする手伝いをしてきた。ただ、手を離れると、現地の担当者が樹液を採取に適さない若い木から取ったり、シロップの品質が落ちたりする事例が散見されるようになったという。

 そこで「自分で生産し、作り方のルールを広め、北海道ブランドを築きたい」と考え、札幌近郊ながら森林の豊かな当別での製造を決めた。施設ではカナダから生産者を招いてシロップ作りの講習会を開くほか、カエデの森の散策ツアーや、メープルシロップを使った料理を食べながら音楽を聴くイベントなどを企画する構想で「情報発信や交流の場にしたい」と話す。

 樹液を採取できるのは樹齢30年程度のカエデ。シロップを持続的に生産できるように若木の成長を妨げる雑草の除去や植樹などを行うことで「森全体の整備にもつながる」という。

 現在樹液を採取できるカエデは約200本。生産できるシロップは年間150リットル程度という。「ブランド化には生産量の拡大が必要」といい、森林整備に必要なチェーンソーや重機などの購入費をクラウドファンディング(CF)サイト「レディーフォー」の専用ページで31日まで募集している。300万円を目標に協力を呼び掛け、道産シロップの生産に役立てる。 (和賀豊)

(北海道新聞2024年1月20日掲載)

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