厳しい冬の寒さのなかで、道内各地で長い間親しまれている鍋料理を味わうイベント「厳冬!!北海大鍋まつりinさとらんど」が1月26日(金)、農業体験交流施設さとらんど(札幌市東区丘珠町584)の「さとらんどセンター」前で始まりました。大鍋でぐつぐつ煮込んだ石狩鍋など5種類の鍋料理が用意され、家族連れらがフーフー息を吹きかけながら味わっています。2月2日(金)まで。
鍋料理は石狩鍋(石狩)のほか、てっぽう汁(根室)、いもだんご鍋(全道各地)、がんがん鍋(赤平)、スープカレー鍋(札幌)の5種類。直径90センチの大鍋で、具材を煮込んで作ります。すべて1杯500円。平日は各鍋先着20人は1杯100円です。1杯100円でご飯も販売しています。平日は各鍋100食、土、日曜は各200食を提供します。
てっぽう汁は花咲ガニやダイコン、豆腐、ネギなどを煮込んだみそ味仕立て。はしでカニの足をつついて食べる様子が鉄砲に弾を込める仕草に似ていることから「てっぽう」の名前が付いています。殻からもだしがよく出て、カニの風味が口いっぱいに広がります。
いもだんご鍋はジャガイモで作ったいもだんごと豚バラ肉、ゴボウ、ニンジンなどを煮込み、しょうゆで味付け。ジャガイモをふかして潰し、焼いた手作りの大きないもだんごが2個入っています。豚肉の脂からうまみが出て、優しい味わいです。いもだんごは、明治時代から開拓者たちのエネルギー源として重宝され、戦時中や戦後の食糧難の時代にもよく食べられました。道内各地でおかずとして、おやつとして、お酒のおつまみとしても人気です。
がんがん鍋は、豚のホルモンや豆腐、こんにゃく、ハクサイやダイコンなどの野菜を入れて煮込んだみそ味の鍋。ホルモンが柔らかく煮込まれ、くせもなく、しょうががたっぷりで体が温まります。赤平の炭鉱住宅の石炭ストーブで戦後間もないころ、よく食べられていたそうです。名前の由来は、「ストーブをガンガンたいて、ガンガン煮込んで、ガンガン食べて、ガンガン語り、ガンガン働く」ことからきています。
石狩鍋には、サケやジャガイモ、ネギ、タマネギなどが入っており、サケのうまみと煮込まれた野菜の甘さで、ほっとする味です。石狩鍋は北海道を代表する郷土料理のひとつ。石狩地方では江戸時代からサケ漁が盛んで、大量を祝って漁師たちがサケのぶつ切りやアラをみそ汁の鍋に入れ、食べていたといわれています。
スープカレー鍋は、スパイスの香り豊かなスープに大きめにカットした鶏肉とジャガイモ、ニンジン、ナス、ピーマンが入っています。あまり辛くはなく、子どもでも食べられそうですが、スパイスの効果か、心なしか体がポカポカします。スープカレーは1971年、札幌市内の喫茶店「アジャンタ」で漢方と香辛料をブレンドした「薬膳スープ」を提供したのがもとになったとされています。その後、カレー店の「マジックスパイス」がインドネシアの鶏肉のスープ「ソトアヤム」をアレンジして「スープカレー」という名前で提供し、広まったそうです。
このイベントには、札幌保健医療大、天使大、北海道文教大、藤女子大の4大学が協力し、学生たちが北海道の郷土料理や地場食材をもとに、メニューを考案しました。会場には家族連れらが訪れ、各地のご当地鍋料理を味わっていました。食事用のストーブ付きテントもあるので、多少の降雪でも安心です。
会場では、無料でそりやチューブなどを貸し出しており、会場横の「ときの広場」で滑って遊ぶことができます。スタッフ手作りのかわいいクマの雪像もありました。土、日、祝日には、バナナボートや馬そり(各大人400円、子ども200円)、トラクター遊覧(大人200円、子ども100円)などもあります。
鍋料理を2品購入すると、バナナボートや馬そり、さとらんど内で冬に実施している動物へのえさやり体験などの無料券、駄菓子が当たる抽選に挑戦できます。
「大鍋まつり」は2月2日(金)までの午前11時~午後3時。1月29日(月)は休み。鍋料理はなくなり次第、終了。平日の各鍋先着10人への100円での鍋料理提供は、午前10時半から、会場で整理券を配布します。
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