【枝幸】町観光協会は7月から、体験型観光メニュー「オホーツク枝幸『旬感!』プログラム」の提供をスタートさせる。新型コロナウイルス感染拡大が落ち着いた後の旅行需要を見据え、密を避けられる自然の中を体験観光してもらい、滞在型の観光客を呼び込むことが狙い。まずは一部ホテルの宿泊者向けから始め、拡大させていく方針だ。
メニューは森林の自然散策(1人千円)、カヌー(同3千円)、地場産魚介類の料理(食材によって1人3千~5千円)、冬季の氷上チカ釣り(1人3千円)。ガイドは、町のオホーツク枝幸ブランド推進本部のスタッフやボランティアが務める。このほか渓流釣りや野鳥観察など旅行者の希望に応じ、オーダーメードの体験の相談にも応じる。
当面は、1日1~2組程度の受け入れ体制で、町内の「うたのぼりグリーンパークホテル」の宿泊者を対象に半額程度の割引料金で実施するが、空き状況などに応じて一般の利用にも対応する。
これまで通年の体系的な体験型観光の仕組みがなかったため、町観光協会が数年前から構想を描いてきた。ほぼ1年をカバーする体験メニューを設定する一方、道知事が認定する「北海道アウトドアガイド」資格など、安全なガイドに必要な技能を持つスタッフを育成してきた。準備には、コロナ禍で観光イベントなどが制約されたことで生じた空き時間を活用した。
グリーンパークホテルのほか、オホーツクミュージアムえさしとも協力。多くの町外客が立ち寄るミュージアムを体験型観光の情報発信拠点の一つにするとともに、自然体験と展示物の見学を通して地域の文化にも理解を深めてもらう。 オホーツク枝幸ブランド推進本部の脇本勝幸本部長は「まず反響を調べ、軌道に乗ればガイド育成にも力を入れたい」と話す。問い合わせは町観光協会(電)0163・62・1205へ。(佐々木克昌)
(北海道新聞2022年6月28日掲載)