【津別】町内の飲食店「つべつ西洋軒」(東4条)は、店の名物でもある豚丼を家庭でも楽しめるようにした商品「ぶた丼のたれ」と、牛肉にも合うよう調合した「すき焼(やき)のたれ」の2種類を発売した。初期生産分の計240本は発売開始から1カ月ですぐ売り切れる人気ぶりだ。
つべつ西洋軒は1930年(昭和5年)、現在の店主榎本聖(さとし)さん(51)の先々代で、樺太の洋食店でコックを務めていた祖父富蔵さんが津別で創業した老舗店。現在は豚丼、ラーメンが交流サイト(SNS)や雑誌などで紹介され人気を博し、特に豚丼は美幌町産の「北斗ポーク」を使用し、豚丼の定番であるロース肉と、脂身のうまみが特徴のバラ肉の計2種類から選べるのが特徴だ。
新型コロナウイルス禍で外食控えが広がった際、西洋軒でも集客が伸び悩んだ。そんな折、常連客から「店の豚丼を家でも食べたい」などの声を聞いた榎本さんが「このおいしさを自宅でも味わってほしい」とたれの発売を思いついた。
「ぶた丼のたれ」「すき焼のたれ」はいずれも380グラム入りで1瓶1200円。旭川市内の業者に依頼して製造し、昨年12月下旬から同店のほか、町相生の「道の駅あいおい」などで販売している。
「ぶた丼のたれ」の原材料、調合は店で出すものとほぼ同じ。「すき焼のたれ」については、店のメニューにすき焼きはないものの、津別産黒毛和牛の「つべつ和牛」「流氷牛」ブランドの消費拡大を願って作った新商品だ。榎本さんは「味のベースは『ぶた丼のたれ』だが、調合の割合を変えて牛肉に合うように仕立て上げた」と話す。
榎本さんは、各家庭の台所でおいしく調理できるよう、町内のインターネット放送局・道東テレビのカメラマン大竹駿二さん(27)の協力を得て、作り方をまとめた動画を動画投稿サイトのユーチューブで公開。町内のデザイナー萩原由美乃さん(36)に商品ラベルの図案を作ってもらった。榎本さんは「オール津別で商品を作っています。津別の産業全体が潤うとうれしい」と話している。(青山秀行)
(北海道新聞2024年2月7日掲載)
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