自然の中でのアクティビティを通して文化や歴史を体感し、自身の内面の変化や視野を広げることにつながる旅行スタイル「アドベンチャートラベル(AT)」。2023年9月には、道内で「アドベンチャートラベル・ワールドサミット北海道・日本(ATWS2023)」が開催され、ATの盛んな欧米を中心に、世界の旅行関係者らがATのツアーを体験しました。昨年催行されたツアーを紹介するシリーズ2回目は、石狩のサケ文化をサイクリングで巡るツアーを取り上げます。
さけ科学館でサケの生態を学ぶ
「石狩の自然、歴史、サケ文化をサイクリングで体感」は、サケの生態や漁の歴史を伝える施設、サケが遡上する豊平川などをサイクリングで巡りながら、縄文時代から育まれてきたサケにまつわる文化を学びます。昼食には、石狩鍋発祥の店でサケのおいしさを味わい、サケによって支えられてきた地域を体感します。
札幌市中央区のパークホテルに集合し、自転車の整備やミーティングを終え、午前8時半に出発です。自転車はマウンテンバイクのほか、電動アシスト自転車も用意しました。まず、札幌市南区の「札幌市豊平川さけ科学館」に向かいます。約7キロのサイクリングです。ややアップダウンはありますが、道路は舗装され、走りやすいルートです。約40分で到着です。
さけ科学館では、卵から稚魚、成魚までのサケの成長の過程や生態などをパネルやジオラマなどで学習。飼育展示しているサケのほか、イトウやアメマスなどサケの仲間も観察できます。
次に、豊平川の河川敷を伝って石狩市に向かいます。上流でふ化したサケの稚魚が、大海にこぎ出すルートを自転車でたどります。ガイドが9月下旬になると、成長し産卵期を迎えたサケが遡上してくることなどを説明してくれます。
約27キロありますが、アップダウンはほとんどなく、舗装されています。途中、休憩をとりながら走ります。休憩では、補給食としてサケを使ったサーモンパイをおやつにしました。
縄文時代から続くサケ漁 資料館で漁具を見学
いしかり砂丘の風資料館(石狩市弁天町)に到着です。館内には4000年前のサケ漁の漁具や縄文時代のサケ漁などについての展示があります。隣接して整備されている弁天歴史公園には、石狩市に現存する最古の木骨石造建築物の「旧長野商店」が保存されています。越後出身の長野徳太郎が創業し、明治から大正時代の石狩を代表する商店で、石狩の歴史を感じられます。展望台もあり、古くからサケ漁が行われてきた石狩湾を眺めることもできます。
石狩鍋、氷頭なます、めふん… 余さずサケを味わう
この日のランチは、石狩鍋発祥の店といわれる「金大亭」(石狩市新町1)でいただきます。店舗は、1880年(明治13年)の創業当時のまま。石狩鍋のほか、焼きサケやサケフライ、白子焼き、めふん、氷頭なますなどが並びます。参加者は白子がサケの精巣だと聞いて、「食べられるの」と驚いた様子でしたが、恐る恐る口にすると、「臭みもなく、おいしい」と一転、気に入ったようだったそうです。氷頭やめふんの腎臓など余すところなくサケを使い切る知恵にも感心していたといいます。
午後1時45分に午後の部がスタート。日本海に注ぐ石狩川の河口近くにあるはまなすの丘公園(石狩市浜町)まで、約1キロのサイクリングです。約46ヘクタールの敷地には180種の海浜植物が自生し、このうち16.5ヘクタールは石狩市海浜植物等保護地区に指定されています。
公園入り口には、石狩灯台がそびえます。1892年(明治25年)開設の石狩のシンボルともいえる存在で、建設当時はこの辺りが河口で、川の流れと海の波によって徐々に広大な砂しが形成されたことを示しています。
帰りは、石狩湾沿いを走り、その後、茨戸川に沿って走ります。途中、ロイズあいの里公園店に立ち寄り、休憩。ソフトクリームで栄養補給します。あとは豊平川沿いのサイクリングロードを伝って札幌の中心部に戻ります。午後5時に出発地点に到着です。
全走行距離は82.8キロ。サイクリングの時間は約5時間。サイクルガイドとして3人が併走するほか、自転車の整備士が乗ったサポートカーも同行しました。
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このツアーは近畿日本ツーリストが企画・催行しました。
・「石狩の自然、歴史、サケ文化をサイクリングで体感」コース情報はこちら
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北海道観光振興機構ではアドベンチャートラベルに関する情報や動画を公開しています。
アドベンチャートラベルの情報はこちら👇
https://visit-hokkaido.jp/adventure-travel/traveler/
アドベンチャートラベルの動画はこちら👇
https://www.youtube.com/playlist?list=PLakCwS7e5hdnt1gbAr1LJHNjX5NQqgYal
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