【美幌】町中心部でハンバーガーショップ「Wonder(ワンダー)」を経営する川原陽水(あきみ)さん(40)が、国道をはさんだ同店舗向かいの空き店舗を改装し、24時間営業で無人の食品販売店「IROIRO(イロイロ)」をオープンさせた。まずはスイーツや肉などの冷凍食品計約50種類を用意。川原さんは「人口減少が進む美幌だが、中心商店街を盛り上げたい」と意気込んでいる。
24時間営業の無人販売店は対面販売の必要がなく、コロナ禍がきっかけとなって主に都市部で開店が相次いでいる。管内でも北見市内に店舗があるが、美幌では初めて。川原さんは「流行しているものを美幌でもお客さんに体験してほしい、という思いでオープンさせた」と語る。
開店は昨年12月29日。店舗の広さは50平方メートル近くあり、元々は美容室だったという。店内には冷凍クレープ、チーズケーキ、エクレア、アイスクリームなどのほか、ユッケやホルモンなどの冷凍肉を取りそろえる。価格は1個350~2千円ほど。
また、タッチパネル式の無人精算機と防犯カメラ4台を設置。店内が外からよく見えるようガラス張りとし、照明も多めに付けて明るくするなど防犯上の工夫を凝らす。オープンから2カ月ほどたつが、今のところ大きなトラブルはないという。
川原さんは生まれも育ちも美幌町。子どもの頃、今よりもにぎやかだった商店街の姿を記憶している。川原さんの祖父母がかつて、商店街で電気店を経営していたといい、「自転車に乗って商店街によく遊びに行った。あの頃のにぎやかさがまた少しでも戻るといいな」と思いをはせる。
そんな思いから、川原さんは十数年前にキッチンカーを購入し、ハンバーガーの移動販売を始めた。2013年には町中心部の空き店舗を借り、本格的にハンバーガーショップをオープンさせている。
冷凍食品の品ぞろえは主に女性客をターゲットとしたものだ。川原さんは「おにぎりの形をしたケーキや、アニメで出てくるような穴だらけのチーズなど『こんなの見たことない』と言われるような商品をそろえたつもり。他にもいろんな面白いものを探し、店頭に並べたい」と話している。(青山秀行)
(北海道新聞2024年2月23日掲載)
お魚料理 冷凍無人機で販売*留萌のすし店 蛇の目*ホッケの開きなど10種*「お店の味 自宅で楽しんで」