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2024.03.30

From北海道新聞

無人販売の焼き芋 安くてうまい*平取の農家・三浦さん夫妻 連日50本完売*焼き方に工夫*引き立つ甘さ、香ばしさ

北海道新聞記事
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自慢の焼き芋を手に「ぜひ立ち寄って」と呼びかける三浦さん夫妻

 【平取】町荷菜の農家「三浦ファーム」の三浦繁春さん(69)、敏子さん(68)夫妻が作り販売している焼き芋が好評だ。3月初めから市街地に近いファーム内の無人販売所で売り始めたところ、地元の主婦らに「安くておいしい」という評判が広がり、連日50本近くが完売している。夫妻は「こんなに反響があるとは。地域住民に喜ばれているなら何より」と笑顔を見せる。

 繁春さんは元びらとり農協職員。副参事などを務め2015年に退職した。北海道農産協会で働いた後、昨春に敏子さんの実家の畑を受け継ぎ、「三浦ファーム」としてカボチャなどの野菜を少量育てている。

 焼き芋は繁春さんの好物。数年前まで近所に移動販売車が来ていたが、最近は見かけなくなったため、自ら焼いて販売しようと思い立った。「今までお世話になってきた地域のみなさんに何か恩返しを」と、道道沿いのファーム入り口にテントを建て、2日から無人販売を始めた。びらとり農協は「焼き芋の無人販売は聞いたことがない」としている。

焼き芋を販売している三浦ファームの無人販売所。「やきいも」と書かれたのぼりが目印

 イモは問屋から仕入れた国内産の甘みが強いサツマイモの「シルクスイート」と「紅はるか」の2品種を使い、業務用の焼き機で午前4時から焼き始める。一度に5、6本を1時間半以上かけて焼くため、夕方までに焼けるのは50本が限度。焼いては店頭に並べる作業を繰り返しても「いつの間にか売り切れる」(敏子さん)という。

 焼き芋は1本200~350グラムで100~400円。200円台が中心で、敏子さんは「市販品の半額程度では」という。イモの大きさによって焼き時間を変え、甘さと香ばしさを引き立てる。「焼いた後に蒸らすのがポイント」と繁春さん。口コミで評判を呼び、むかわ町や日高町から買いに来る人もいる。日高町富川の主婦前田貴子さん(47)は「こんなに安く売ってる所は近くにない。子どものおやつにぴったり」と話していた。

 好評を受け15日に焼き機を1台追加購入し、販売量を増やした。同ファーム産のダイコンやホウレンソウなども直売する予定で、繁春さんは「仕事帰りの人にも立ち寄ってほしい」と呼びかける。

 無人販売所は「やきいも」ののぼりが目印。午前9時~午後6時で無休。焼き芋の予約もできる。問い合わせは同ファーム、電話090・3770・2046へ。 (石井純太)

(北海道新聞2024年3月25日掲載)

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