【長万部】町内の川瀬チーズ工房が製造、販売している定番商品「長万部ラクレット」が3月上旬、米国で開かれた「ワールドチャンピオンシップ・チーズコンテスト」のラクレット部門で金賞に輝き、今回出品されたすべてのチーズと乳製品(合計3302品)の中での世界トップ20入りも果たした。工房を営む製造責任者の川瀬昭人さん(42)は「自分の作ったチーズで、強い欧州勢のチーズに食い込めたことがうれしい」と喜んでいる。
このコンテストは1957年に始まった世界最大級のチーズの品評会。2年に1度のペースで開かれ、今年は3月5~7日の日程で米国ウィスコンシン州で開催された。出品されたチーズと乳製品は世界25カ国の3302品で、このうち日本からは国内選考を経た34品のチーズが出品された。
審査項目は歯応え、風味、表面など。100点満点で「長万部ラクレット」は日本勢で最高の98・1点を取り、世界トップ20に入った。
「長万部ラクレット」は兄直人さんが町内で経営する川瀬牧場で搾った生乳が原料。2カ月以上熟成させたセミハードタイプで、加熱するとよく伸び香りが引き立つ。年間生産量は500~600キロといい、新千歳空港や東京の一部店舗でも取り扱っている。
川瀬さんは酪農学園大に在学中、フランスで出合ったコンテというチーズのおいしさにしびれ、チーズ作りの道へ進んだ。共働学舎新得農場(十勝管内新得町)などで修業を積み、2017年に開業して、現在「長万部ラクレット」を含め7種類のチーズを製造、販売している。
今後について川瀬さんは、「これまで作ってきたチーズの品質向上と量産化に取り組みつつ、長期熟成できるチーズに挑戦したい」と話している。
世界トップ20の「長万部ラクレット」は100グラム590円。販売している川瀬チーズ工房の店舗は、営業時間が午前11時~午後5時。定休日など詳細は同工房のフェイスブックで確認を。問い合わせは同工房、電話01377・6・7280へ。 (椎名宏智)
(北海道新聞2024年3月30日掲載)