【利尻】町の人気ラーメン店「利尻らーめん味楽」が10月から、後志管内俱知安町で通年営業を始める。昨年12月~今年3月に期間限定で出店し、多い日には1日約250杯を売り上げる好調ぶりだった。利尻は夏、俱知安・ニセコ地域は冬という繁忙期の異なる地域に出店することで、同店は「複数の拠点で利益を上げるビジネスモデルの一つになれば」と期待を寄せる。
期間限定の出店先と同じ店舗を使う。利尻本店、全国の有名店が集う新横浜ラーメン博物館(横浜市)に次いで、国内は3店舗目。海外へも6月ごろに米国・ボストンに初出店する。
味楽の看板メニューは利尻昆布のだしをきかせた「焼き醤油(しょうゆ)らーめん」。期間限定の俱知安店(昨年12月18日~今年3月15日)ではスープに使う玉ネギ、ニンジンをはじめ、同管内ニセコ町の農家から野菜を仕入れ、焼き醤油、みそ、塩ラーメンなどを提供した。
味楽代表の江刺家堂真さん(38)によると、俱知安では交流サイト(SNS)でのPRやホテルでのチラシ配布を通じ、徐々に知名度が広がった。海外の富裕層向けに高価格の飲食店が多い中、こだわりの一杯を千円ほどで味わえるとあって行列ができるように。来店者の7割が外国人という。江刺家さんは「『俱知安で営業を続けて』とありがたい声をたくさんいただいた」と目尻を下げる。
俱知安店は通年営業とし、他の国内2店舗の状況をみながらスタッフを配置する。俱知安の閑散期に当たる夏場には、地元の農家のもとでスタッフ研修を実施し、食材への理解を深めたい考え。キッチンカーも導入し、スキー場やリゾート施設に近い地区に店で調理した料理を届ける計画だ。 (菊池真理子)
(北海道新聞2024年4月9日掲載)