【天塩】町民を中心に長年親しまれてきたアサヒ飲料(天塩)の炭酸飲料「アサヒ・マスカットサイダー」が、5月で製造50周年を迎えた。町を代表する特産品の一つで、同社4代目の桑田孝彦社長は「昔懐かしい味として、たくさんの人に愛され、製造を続けることができた」と感謝している。
マスカットサイダーは低炭酸で飲みやすく、ほどよい甘さが特徴。子どもから大人まで幅広い層で人気を集め、現在は年間約3万6千本を出荷。これまでに200万本以上を販売している。
誕生のきっかけは、1970年代に米国製の炭酸飲料「コーラ」の人気が高まったことにある。全国的に国内メーカーの炭酸飲料の売り上げが減少する中、アサヒ飲料は約1年かけ、当時高級感のある果物だったマスカットの天然香料を使い、無果汁の炭酸飲料「アサヒ・マスカットサイダー」を開発。74年5月に本社工場で製造を始めた。現在は苫小牧の企業に製造を委託している。
アサヒ飲料は、1955年に「アサヒ飲料社」として天塩町で創業し、炭酸飲料や果実飲料などの製造を町内の本社工場で開始。66年に現社名に変更した。2002年に町内の桑田海運が経営を譲り受けた。東京に本社を置く同名の大手飲料メーカーとは別会社だ。
価格は店舗によって異なり、発売当初は1本80円前後(340ミリリットル瓶入り)だったが、現在は1本170円前後(250ミリリットル瓶入り)で販売。町内や近郊など主に道北エリアの道の駅やスーパーなどで取り扱うほか、インターネットでも販売している。
桑田社長は「今後も天塩のマスカットサイダーとして愛されてきた味を守り続けたい」と話している。販売場所の問い合わせは同社、電話01632・2・1525へ。 (田中雅章)
(北海道新聞2024年5月23日掲載)
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