【月形】町内で新聞販売所などを経営する斎藤香さん（52）が５月31日に、町の中心部で体に優しい食材にこだわった飲食店「ＧＯＨＡＮＹＡ いぶくろ」（本町通り364）を開店した。提供する食事に化学調味料は一切使わず、野菜類は自身の家庭菜園で農薬を使わず有機肥料で育てたものばかり。「健康的な食事で町民の胃袋をつかみたい」と意気込む。
斎藤さんは13年前から町社会福祉協議会の地域活動支援センターで週１回、７年前から地域食堂「あずまし食堂」で月１回、食事を提供するボランティアに携わってきた。町の中心部に気軽に食事ができる飲食店が少ないとの声を高齢者や役場職員から聞いており、実際、昼食をカップ麺や菓子パンなどで済ませている町民たちを見ていたことから、開業を決めた。
店舗は元スナックを改装し、テーブルとカウンターを合わせた席数は21席。メニューの柱は、斎藤さんがその日の厳選食材を調理する日替わりの「いぶくろ定食」（千円）で、みそ汁に使うみそも自ら仕込んだ「手前みそ」だという。そのほかカレー（900円）や、おでんランチ（800円）、ギョーザをのせた「元気もりもり丼」（900円）、かき玉うどん（600円）など、「しっかり」から「軽く」までを意識したメニューが並ぶ。
ランチタイムからアルコール類も提供。３種の日本酒が選べる「おすすめ利き酒セット」（1500円）には道内外の純米吟醸酒を用意した。
開店資金は当初150万円程度と考えていたが、建築資材価格の高騰で、予想の数倍にも膨れあがってしまったそう。それでも「一人でふらりと来られる店を町の人たちが求めている。手頃な値段で、健康を意識した食事を提供したい」と話す。
開店時間は月～木曜が午前11時半～午後５時、金曜は午前11時半～午後10時、土曜は午後５～10時で、日曜は定休日。問い合わせは斎藤さん、電話0126・35・1254へ。（池田静哉）
(北海道新聞2024年６月３日掲載)
熟成でうまみ増 ハンバーグやソーセージ＊月形の黒毛母牛 加工品に＊元地域協力隊の加藤さん＊道外百貨店などで販売＊「町の特産品にしたい」
