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2022.07.27

From北海道新聞

ごろっとシカ肉 レトルト食品に*新冠の加工業者、3種類発売*「手軽においしく」

北海道新聞記事
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新商品のシカ肉のオイル煮込み
新商品のシカ肉のオイル煮込みをPRする北海道食美楽の赤田さん(右)。左は道の駅「サラブレッドロード新冠」の三浦千尋店長

 【新冠】町内の食肉加工業「北海道食美楽」は今月から、エゾシカ肉を使ったレトルト食品の販売を開始した。同社が加工食品を販売するのは初めて。道の駅「サラブレッドロード新冠」で販売されているほか、町のふるさと納税の返礼品としても扱われている。

 同社は2005年の創業以来、ハンターから買い取ったエゾシカを食肉に加工処理し、レストランなどに販売する食肉加工業を主として営業していた。

 しかし、新型コロナウイルスの影響で、飲食店のシカ肉需要が落ち込んだことを受け、昨年4月から「誰でもおいしく手軽に食べられること」をコンセプトに、狩猟肉の販売、商品開発などを手がける「クイージ」(東京)と共にレトルト食品の開発に着手した。

 新商品はエゾシカ肉を米油で煮込んだ「オイル煮」で、カレーのような「エスニックスパイス風味」、ローズマリーなどが香る「プロヴァンスのハーブ風味」、和風の「柚胡椒(ゆずこしょう)風味」の3種類。島根県にあるクイージの工場で製造した。価格はいずれも750円(150グラム)から。

 シカ肉はしばしば、血抜きなどの処理が適切にされないまま、ハンターと飲食店が直接やりとりする場合がある。そういった肉を食べた人の中には、シカ肉に「まずい・固い・臭い」といったイメージを抱くケースが多いという。

 北海道食美楽ではハンターとの間で狩猟方法を厳格に定め、高品質の食肉を確保。8日から道の駅で販売を始め、道外から訪れる観光客を中心に人気だ。同社で開発に携わった赤田亜矢子さんは「臭さは全くなく、口の中でとろけるやわらかさ。ごろっと入ったシカ肉をぜひ楽しんでほしい」とPRしている。

 日高管内では従来、新ひだか町の「ウタリ共同養鹿(ようろく)加工組合」が、エゾシカの缶詰やソーセージ、ジンギスカンなどを出荷しており、同町のふるさと納税の返礼品でも扱われている。今回、新たに参入した北海道食美楽も、オイル煮に加え、カレーなどの新たな商品の開発を計画中という。(石井純太)

(北海道新聞2022年7月22日掲載)

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