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2024.06.18

ナチュラルサイエンスの「ナチュの森」で家族で1日中遊ぶ~北海道の見学できるコスメ工場㊥

小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

ナチュラルファクトリー(左)と校舎を改修した森の工舎

倶多楽湖の伏流水と出会い、白老へ

 日本屈指の透明度を誇る倶多楽湖の伏流水にひかれて、活火山・俱多楽のふもとに工場をつくった化粧品製造販売「ナチュラルサイエンス」と姉妹会社の「ナチュラルアイランド」。工場とガーデン、ショップ、カフェ、ガーデンなどを備えた「ナチュの森」は子どもから大人まで、1日中楽しめる施設です。

工場やショップなどが入るナチュラルファクトリー

 ナチュラルサイエンスは、子どもの肌のトラブルに悩んでいた社長の小松令以子さんが1996年に創業。20年ほど前から、化粧品の素材となる植物を探して北海道を訪れるようになり、「北海道のきれいな水で化粧品をつくりたい」と考えるようになったといいます。倶多楽(くったら)湖の伏流水に出会ってほれ込み、2014年に閉校した白老町立虎杖中学校の敷地と校舎を取得。17年にグラウンドに工場を建てて化粧品の製造を始め、18年にはガーデンを整備しました。さらに、校舎を改装して22年、「自然と科学のミュージアム 森の工舎」を完成させました。

製造工程と徹底した衛生管理を見学

見学通路には、子どもにもわかりやすい説明のパネルが展示されています
容器に化粧品を詰める充填室

 工場「ナチュラルファクトリー」では、ナチュラルサイエンスの主力商品の乳幼児や敏感肌向けの製品、ハーブや樹木の精油など北海道の植物を使ったナチュラルアイランドの製品を製造しています。まずは、工場見学。参加者は白衣に着替え、工場のスタッフが毎日通るのと同じエアシャワーを体験して、見学通路に入ります。大きな窓越しに、原材料を混ぜ合わせる調合室などを見ることができます。

見学通路入り口のエアシャワー
スタッフの作業用の着衣。右は目しか出ていません

 工場内はクリーンルームとなっており、マスクを着用し、さらに製造室・充填室のスタッフは目しか出ないつなぎを着るなど、衛生対策を万全にとっています。見学の途中では、原料の液体の密度の違いから、体積が同じでも重さが違うことが分かる一斗缶の持ち比べや、水分と油分を混ぜる乳化実験を体験できるコーナーもあります。

 工場見学は月数回で、ホームページから事前予約が必要です。参加費は18歳以上500円、18歳未満は無料。

「森の工舎」で香りを体感 子どもの工作や遊び場も

自然と科学をテーマにした森の工舎
中学校のころのままのステンドグラスと打ちっぱなしの壁。下の青い円形のソファは倶多楽湖をイメージしています

 中学校の校舎を改装した「森の工舎」は、自然と科学をテーマにした体験型のミュージアム。入り口を入ってすぐのラウンジは吹き抜けで、ステンドグラスと打ちっぱなしの壁は中学校として使われていた時のまま。使われなくなった蛍光灯をリサイクルしてつくったしずくの形の照明をつるし、倶多楽湖をイメージした円い青色のソファーが置かれています。

オリジナルのアロマミストをつくるパフュームデザインを体験できる蒸留実験室
本物の蒸留機

 蒸留実験室には、植物からアロマオイルを抽出する蒸留機が設置され、原料を蒸して香りや油分を抽出、冷却して精油と芳香蒸留水を取り出す仕組みを学ぶことができるほか、昨年11月からは、オリジナルのアロマミストをつくる「パフュームデザイン」の体験も始まりました。

ローズマリーや和ハッカなど10種類の香り
複数の香りをブレンドした香りの見本

 パフュームデザインは、ローズマリーや和ハッカ、モミ、ラベンダーなどと、ライラックやキンモクセイ、サクラなど季節の香り1種類を含む計10種類の香りをそれぞれ単体でかいでみて、好みのものを組み合わせて自分だけのオリジナルのアロマミストを作ります。スポイトで5ミリリットルを計8回、ボトルに入れます。メーンの香りを決め、3~4種類をアクセントに使うのがおすすめだそう。組み合わせと量で、印象が変わります。

 迷ってしまいますが、「オレンジ2回、ラベンダー3回、ヒノキ1回、ゼラニウム1回、モミ1回」で「良く眠れそうなリラックスの香り」になる-といった見本もあり、スタッフに相談しながら好みの香りをつくります。

 土、日、祝日は午前11時、午後1時半、午後3時に各16人、平日は随時受け付け。100ミリリットル1本1650円、2本で3000円。

自然の香りを体験できる香りのラボ
16種類の香りが並びます

 「香りのラボ」には、ローズやジャスミン、ユーカリなど16種類の香りを体験できるパフュームバーを設置。北見市のハマナス、富良野市のラベンダー、滝上町の和ハッカ、釧路市のモミノトドマツなど、北海道産の香りもあります。

 香りについてクイズ形式で学ぶ展示もあり、実際に同じ植物の花と葉、果実の香りの違いや、ジャコウなど動物からとれる香りなどを体感できます。調香師がジャスミンの香りを化学的に合成する過程を体験できる展示もあります。加齢臭や汗のにおいなど「嫌なにおい」を強い香りで覆い隠すのではなく、ほかの香りをミックスさせることで隠す過程も、紹介しています。

子ども向けのワークショップを実施しているアトリエ

 「アトリエ」では、シカの角を使ったアクセサリーやスライム、アクアドームを作る子ども向けのワークショップや遊び(300円~)も実施しています。

アスレチックふわふわ(奥)など体を使って遊べる遊具がそろいます
雨の日も安心して遊べます

 旧体育館は、トランポリンや空気を入れてよじ登ったり滑り降りたりする「アスレチックふわふわ」、おままごと、積み木、跳び石など体を使って遊ぶことのできる全天候型の「あそびのひろば」に様変わり。災害時には遊具を片付け、地域の人たちの避難所として活用します。

 土、日、祝日の午前10時~午後4時半(最終入場3時半)。1時間の利用料は、1歳から小学生以下は700円、大人は500円、0歳児無料。

ライブラリーやえほんの部屋でくつろぐ

さまざまなジャンルの本が並ぶライブラリー
各所にいすやソファが置かれ、くつろげます

 2階には、「ライブラリー」があります。ハーブや香り、キャンプ、美術、自然、図鑑などさまざまなテーマの本が約3000冊そろえています。あちこちにソファやいすを設置しているので、好きな本を片手にのんびり過ごせます。

1000冊がそろう「えほんの部屋」
子どもが座ったり寝そべったりできるクッションのスペース

 ライブラリーの横は、くつを脱いで上がる「えほんの部屋」。約1000冊の絵本があり、柔らかいクッションに囲まれた赤ちゃん用のスペースも整備しています。紙芝居や読み聞かせなどのイベントも随時、開いています。

ガーデンで散策や水遊び、アスレチックも

風の丘の頂上にあるエターナルリング。リング越しの稜線が倶多楽湖の外輪山
イコロの森が監修した植栽

 18年に完成したナチュラルガーデンは約1.7ヘクタール。苫小牧市の観光庭園「イコロの森」が植栽を監修し、ギンカエデやアオダモなどの樹木約140本が植えられ、ハーブや花も楽しめます。工場の建設で出た土を活用して増設した小高い「風の丘」の頂上には幸せが続くようにとの願いが込められたオブジェ「エターナルリング」が設置されています。リングを通して、ナチュラルサイエンスをこの地に引き寄せた倶多楽湖の外輪山を望みます。

噴水にも倶多楽湖の伏流水が使われています
アスレチックとすべり台

 隣接する親水公園から倶多楽湖の伏流水をひき、全長70メートルの水路「森ビーチ」と「クッタラ噴水」も整備されており、水遊びを楽しむこともできます。大きな「おやまのすべり台」や「お空のネット」などのアスレチックを楽しめる「きららっこ広場」もあります。

ナチュの森で飼われている道産子のマニーくん
ハーブを栽培している畑

 4月下旬から10月下旬の土、日、祝日には、ナチュの森で飼っているポニーも登場。引き馬体験もできます。午後0時半からと午後2時からで、4歳以上が対象。2周で500円です。

 ナチュの森では、抗酸化作用や保湿効果の成分が含まれるハーブ「カレンデュラ」も栽培しています。有機認証を取得しており、白老町の多機能型事業所「フロンティア」の障害のある人たちが作業を担っています。カレンデュラは花びらだけを摘み取り、植物性のオイルに浸けて成分を抽出しています。

カフェやショップ、エステも充実

ショウガのエキスを抽出する蒸留器具
蒸留カフェのチキントマトカレーセット

 ナチュの森には、森の工舎内に「蒸留カフェ」、ナチュラルファクトリー内に「スマイル食堂」、と2つのカフェレストランがあり、水はすべて、倶多楽湖の伏流水を使っています。

 蒸留カフェは、「理科」がコンセプトになっており、フラスコやビーカー、蒸留器具などを使ったドリンクを提供。「はちみつジンジャーアイス」(500円)や「甘くない蒸留ジンジャーソーダ」(650円)は、店内にある蒸留器で新鮮なショウガを蒸留し、エキスを使っています。

 フードは、「辛さひかえめとろとろチキントマトカレーセット」(ドリンク付き1430円)や、アップルパイやニューヨークチーズストロベリーケーキの「ケーキセット」(アイス、ドリンク付き1050円)などのデザートを提供しています。午前10時~午後5時(ラストオーダー4時)。

蒸留カフェのケーキセット
スマイル食堂の蝦仁飯

 スマイル食堂では、エビとご飯をだしで煮たおじや風の「蝦仁飯(エビ飯)」(おかず付き1300円)や台湾風肉そぼろの汁なしめん「担仔麺」(スープ付き1300円)、ピザなどを提供。地元のアイヌ民族に伝わるエント茶(400円)やイタドリ茶(同)もあります。午前11時~午後3時半(同3時)。

ナチュラルサイエンスとナチュラルアイランドの商品が並ぶショップ
テスターで試すこともできます

 工場のあるナチュラルファクトリーには、直営ショップ「homeナチュの森店」が入っています。ナチュラルサイエンスとナチュラルアイランドのすべての商品をそろえており、試しながら商品を選ぶことができます。スタッフに声をかければ、赤ちゃんから大人まで、肌の悩みのカウンセリングもしてくれます。午前10時~午後5時。

 湧水ハーブスパ&マグマヨガスタジオ「アクアサロン」は、完全予約制。自社のハーブオイルを使ったエステ、溶岩石を敷いた空間で、遠赤外線で体を温めながら行うヨガ、倶多楽湖の湧水を使ったジャグジーなどが楽しめます。午前10時~午後5時。

住所…白老町虎杖浜393-12
電話番号…0144・84・1272
営業時間…午前10時~午後5時
定休日…水、木(祝日の場合は営業)、年末年始

 お肌や髪の調子を整え、美しさを保つ化粧品。品質の良さだけでなく、ユーザーの心のうるおいアップや環境への配慮をアピールする化粧品メーカーも少なくありません。安全・安心をアピールするとともに、消費者の心もつかもうと、製造過程を見学でき、カフェやガーデンなどを併設する化粧品工場もあります。そんな北海道内の化粧品工場3つを紹介します。

小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

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