北海道内最大級の花の祭典「花フェスタ2024札幌」が22日(土)、大通公園4丁目~8丁目で開幕しました。花の苗や鉢、ガーデニング関連グッズなどを販売する花市場や飲食物の販売、初めてのキッチンカーによるグルメマルシェなどが始まったほか、北海道農業高校生ガーデンイングコンテストでは、静内農業高が初の大賞に輝きました。30日(日)まで。
「ガーデニング甲子園」は静内高が初V
北海道新聞社などによる実行委の主催。4丁目、5丁目では「ガーデニング甲子園」とも呼ばれる高校生ガーデニングコンテストが開かれています。15回目の今年は、13校、18チームが参加。22日午前中に高校生たちのプレゼンテーションと審査が行われ、大賞(北海道知事賞)には初めて、静内農業高の「Something Blue~幸せを呼ぶ青い庭」が選ばれました。
静内農業高のある新ひだか町は、デルフィニウムの生産量、生産面積が北海道で1位。このデルフィニウムを中心に使い、うずを巻くように青色のグラデーションを立体的に表現しました。中に入り、うずの中心に立って写真撮影ができます。
準大賞スタンダード型(札幌市長賞)には、新十津川農業高Aの「農村地帯に花を」が選ばれました。国道275号を北上した時に見える、田園風景に花の彩りを加え、花と緑のうるおいと安らぎ、美しさを再現しました。石を積み上げた壁を背景に、薄むらさきや青、薄緑、ピンク、黄色などの花々がバランス良く配置されています。
準大賞コンパクト型(同)は、剣淵高の「絵本の世界を飛び出した『おむすびころりん』」が受賞。「絵本の町」の剣淵町のキャラクター「ぷっちーな」が地域の子どもたちに「おむすびころりん」の読み聞かせをしている場面を再現したといい、ガーデンに配した傾斜のついたレールにおむすびを模したボールを乗せると、ボールがレールの上をボールが木琴のような音を立てて転がる仕組みで、かわいらしさと楽しさで、ボールを転がす子どもたちの順番待ちの列が絶えません。
特別賞(エア・ウォーター賞)には、新十津川農業高Bの「ほっと一息つきましょう」が選ばれました。「一息つける空間を」との思いで、和風の心安まるガーデンを表現。竹を使った和風のお屋敷風の窓や壁を背景に、水に見立てた砂利やこけむした石、アジサイ、ししおどしに見立てた竹などを配し、緑と青の落ち着いた雰囲気に仕上げました。
旭川農業高Bの「〝和〟な日常~安らぎを与える縁側~」は、奨励賞(北海道新聞社賞)を受けました。人の心をいやす和の自然の風合いを表現し、夏の縁側をイメージ。東屋のような屋根にすだれをかけ、涼しげなたたみ風の座布団と、懐かしさを感じさせるブタをかたどった蚊取り線香入れを配置。赤や黄色、紫、オレンジなど色とりどりの花を植えていますが、中央の砂利と落ち着いた緑が全体を引き締め、落ち着いた雰囲気にまとまっています。
審査員による審査は終了しましたが、27日(木)正午まで、花フェスタ公式インスタグラムで1アカウントにつき1回、投票でき、多くの投票を得たチームに「SNS賞」が贈られます。結果は28日(金)に発表される予定です。
花の苗や鉢、ガーデニンググッズが勢ぞろい
6丁目、7丁目には、花の苗や鉢、ガーデンニング関連グッズを販売するショップが計20店、出店。バラやラン、多肉植物、山野草、切り花などを求め、多くの人でにぎわっています。じょうろや鉢、プランターなどのガーデングッズも豊富です。両手いっぱいに買い求める人もおり、にぎわっています。
7丁目には、壁やへいに取り付けたり、ぶら下げるハンギングバスケットの展示コーナーもあります。
初企画キッチンカーグルメマルシェ
8丁目では初めて、「キッチンカーグルメマルシェ」を開催。キッチンカー9店が出店し、25日(火)までの午前10時から午後6時まで、ステーキやフライドポテト、おにぎり、ジュースなどを販売しています。
「emo」は、俱知安町の農家2軒と協力し、規格外の男爵イモを仕入れ、フレンチフライにして提供しています。フレンチフライはシンプルな「ソルト」(600円)のほか、「ハラペーニョソース」(700円)や「ハニークリームチーズ」(6おにぎりと50円)、「ミートソース」(750円)など変わり種も。蔭山明日美さんは「emoはアイヌ語でイモの意味。規格外でも、味はおいしい。規格外野菜や食について考えるきっかけになればうれしいです」と話します。
「おにぎりとコーヒーとおやつ」を出店しているのは、札幌駅北口の就労継続支援B型事業所の「cafeがじゅまる」を運営するリンクルーズ。農薬を通常より3割減らして生産した道産玄米を使ったおにぎりは、「くるみ味噌」(400円)や「のどぐろだし塩」(300円)、「枝豆塩麹昆布」(350円)など、一工夫した具材や味付けで、迷います。りんごあめやアイスクリームなどのスイーツも扱っています。
「めっちゃバナナ」はバナナジュース専門店。シンプルなバナナジュース(M600円、L750円)のほか、Mはプラス50円、Lはプラス100円で、竹炭や小松菜、きなこ、ほうじ茶などに味変できます。ヴィーガンメニューとして、アーモンドミルクやオーツミルク、豆乳(各Mはプラス50円、Lはプラス100円)にも変更できるほか、牛乳を使わない「わんちゃん用」(800円)も用意しています。愛犬と散歩しながら花フェスタを見て、一緒にバナナジュースで乾杯するのもいいですね。
「ラオウキッチンカー」はロングポテトの種類が豊富。お祭りの屋台の定番「ラスポテト」を提供しています。マッシュポテトを押し出したポテトフライは、長さ30センチ。注文が入るごとに揚げます。シンプルな塩のほか、えび塩、ケチャマヨ、バターしょうゆなど6種類で各700円。もう1つの看板メニューはとり肉を開いて薄くし、カリッと揚げたスパイス味の「炸鶏排(ザージーパイ)」。手のひらより大きく、スパイス感は子どもも食べられるように控えめで、700円です。
現在はキッチンカーでの営業ですが、7月2日に恵庭市に生ラムジンギスカンの実店舗「ラム太郎」をオープンするそうです。
物販やグルメも充実
6丁目には、ザンギや焼きそば、スイーツなどの飲食10店が出店するほか、物販のブースもあります。市立大通高校は、校舎5階に養蜂場があり、そこで採蜜したハチミツを販売していました。この日は、アカシア蜜とボダイジュ蜜がありました。試食させてもらうと、アカシア蜜はニセアカシアから採取し、色が淡く、くせのないマイルドな味わい。ボダイジュ蜜は香りが強く、甘さが強く感じられます。ハチミツは季節によって花が変わるため、味も異なり、大通高でもさまざまな種類のハチミツをつくっています。
4丁目から8丁目まで歩き回って、のどが乾いてきました。見回すと、札幌のクラフトビール「月と太陽BREWING」が出店しています。4種類の生ビールと、缶入りを販売しています。
迷ってしまい結局、4種類を200ミリリットルずつの飲み比べセットを注文。味が薄めですっきりとしたものからいただきます。赤い色が特徴的な「イシカリレッドフェニックスラガー」で乾杯。ビーツを使っており、ビーツの色と香りが楽しめるピルスナーで、フルーティーさも感じます。次は、ウエストコーストピルスナー。ホップの華やかな香りと、シトラス系のすっきりとした味わいです。すっきりとしたビールでのどの乾きをいやします。
続いて、しっかりとした味わいのIPAを。濁りのあるヘイジーIPAは、意外にもフルーティーな味わい。酸味もあり、ミックスジュースのようなさわやかさ。IPAはアルコール度数がガツンと7%。IPA特有のしっかりとした苦みがありながら、力強く、飲みごたえがあります。
花と緑で目を養い、たくさん歩いて身も心も満足。最後のビールでのどもうるおし、充実の週末です。花フェスタ2024札幌は6月30日(日)までの午前10時から午後6時まで(最終日は午後5時まで)。キッチンカーグルメマルシェは25日(火)までです。