【支笏湖畔】クラウドファンディング(CF)で醸造資金などを募ってきたクラフトビール「支笏湖BEER」の試作品3種類が完成し、支援者らへの配布が始まった。支援金は、再設定した目標金額150万円を上回る160万円超を達成。企画した千歳市内の合同会社の代表は「商品化のめどが立った」とし、7月下旬に市内で開かれる夏のビアガーデンイベントを皮切りに本格販売を始める。
企画した「メデル合同会社」の佐藤暁子代表(41)が4月下旬、国内有数の水質の良さで知られる支笏湖の水を使ったクラフトビールを造り、観光振興と湖の環境保全活動を後押ししようと企画した。CFは4月下旬に募集を開始。当初目標の100万円を5月上旬に達成した後、締め切りの同月末までに154人から160万9千円が集まった。
札幌市のクラフトビール会社に醸造を委託した試作品は「たるまえーる」「支笏湖ビール」「メルティング スノー」の3種類。瓶詰め(1本330ミリリットル)し、各約330本分を生産した。支笏湖の形をベースにデザインしたラベルも完成。支援者には20日以降、配布、配送している。
胆振管内洞爺湖町を新たに加えた2社にビール計1千リットルの醸造を依頼した。7月24~26日に市内中心部のグリーンベルトで開かれる第10回ちとせ川ビール祭りでお披露目する。会場では生ビール1杯を600円で販売する予定だ。
支笏湖畔の宿泊施設や飲食店などでの販売も順次始める。円高の影響などで原材料が高騰しており、価格は1本990円を想定している。ラベルのデザインに合わせて作成したステッカーやコースターなどに加え、ビール用グラスなどの制作も計画している。
昨年末から準備を進めてきた佐藤代表は「ここまでたどり着くことができたのは、多くの方々の支援があったからこそであり、感無量。ビールは私がイメージした通り、支笏湖らしさを感じさせる爽やかな味に仕上がった。多くの人に味わってほしい」と話す。
問い合わせは佐藤代表、電話080・1898・2927へ。 (梶山征広)
(北海道新聞2024年6月27日掲載)
支笏湖の水でビールを*老舗旅館も協力 売上金の一部で環境保全*千歳の会社代表・佐藤さんCF*今夏本格販売へ