【厚岸】道の駅厚岸味覚ターミナル・コンキリエと町内のレトルト食品製造高島食品(高島昭一社長)が「金の牡蠣(かき)ラーメン」を共同開発し、発売した。厚岸産カキ2個がトッピングされ、プリプリのカキからしみ出るエキスと、カキの煮汁が濃縮されたスープが「カキの風味をダブルで味わえる」厚岸ならではのインスタントラーメン。売り上げは出足好調で、新たな厚岸土産の柱になりそうだ。
金の牡蠣ラーメンの売りは、半年間試作を重ねたまろやかな「醤油(しょうゆ)牡蠣エキススープ」。コンキリエの人気プライベートブランド(PB)「金のかき醬油」などを手がけた日本醬油工業(旭川市)に製造を依頼。高島食品から提供されたボイル後に出たカキの煮汁の特長を最大限生かしながら、しょうゆとブレンドし、カキの風味が絶妙に出るように仕上げた。太めの麺と相性もいい。
煮汁は軽くボイルして真空パックしたトッピングのカキからもパック内ににじみ出て、うまさを引き立たせる。
厚岸味覚ターミナルの加藤裕之取締役支配人によると、カキを使ったインスタントのラーメンは高コストと加工技術の面からどこにもないという。今回商品化に踏み切ったのは、カキの煮汁からしょうゆを作った実績と「こだわりをもった厚岸らしいラーメンを作りたい」という思いから。
1袋780円。コンキリエで発売開始になった5月下旬からの約1カ月間で600袋余り、1営業日当たり平均20袋以上が売れ、売上数は土産品約760点中2位に躍り出た。購入客には「カキの味がする」と好評で、リピーターもいるという。加藤支配人は「予想以上の売れ行き。牡蠣ラーメンが厚岸土産の目玉になるように力を入れていきたい」と話す。当面はコンキリエで販売する。(大滝伸介)
(北海道新聞2024年6月29日掲載)
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