【興部】専門家が国際基準に従い評価するチーズのコンクールで、町内のチーズ工房アドナイが出品した「フロマージュ・ド・サリュ」が、ソフト・白カビ部門で最上位の「SUPER GOLD(優秀賞)」に選ばれた。総合的な完成度の高さが認められた。社長交代後に初めて出したコンクールで実力が認められ、取締役で製造責任者の堤田ひかるさん(37)は「方向性が間違っていないことを確認できた」と手応えをつかんでいる。
大会は日本チーズアートフロマジェ協会が主催した「フロマジェジャパン2024 第1回アルティザンチーズアワード」。28都道府県の工房から166品の応募があり、18部門で審査した。
アドナイは3部門に3品を出品。優秀賞を受賞した「フロマージュ・ド・サリュ」は白カビタイプのチーズ。カッティングして型詰めしたチーズに白カビを吹き付け、2週間ほど熟成させて仕上げる。熟成度合いによって、好みのタイミングで食べられるのが特徴だ。
アドナイは昨年10月に堤田さんの父克彦さん(66)から姉めぐみさん(41)に社長を交代した。ここ10年間はコンクールへの出品はなかったが、「父の功績に頼らず、今の自分たちの立ち位置を知りたい」と応募した。
協会によると、6月2日に東京都内で開かれた審査会で、「フロマージュ・ド・サリュ」は「熟成の技術が優れている」「口溶け、ミルクの風味が良い」など絶賛され、出品16品の頂点に立った。また、ソフト・ウォッシュ部門に出した「カレ・ド・エール」は「SILVER(銀賞)」を受賞。堤田さんは「より品質の高い商品を作り続け、お客さまに食べてもらいたい」と力を込める。
今回受賞した2品はアドナイの店舗か通販サイトで購入できる。問い合わせはアドナイ、電話0158・82・3133へ。(仲沢大夢)
(北海道新聞2024年7月4日掲載)
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