リンゴやタマネギがたっぷり入った甘めのタレに、じっくりと漬け込んだ軟らかいラム肉。青果や肉類などを幅広く扱う三笠市の中村鮮魚店の自家製ジンギスカン「ツヨジン」は、「飽きのこない味」として地元客に根強く愛されている。
創業約60年の店で、3代目代表の中村剛さん(49)が手がけた。きっかけは16年前、市内唯一だった精肉店の閉店。福祉施設への納品を続けるため肉類の販売を引き継ぎ、一緒に譲り受けたのがジンギスカンだった。
ただ、タレの詳しいレシピもなく、作り方を教わったのは一度きり。家族や客の声を聞き、4年ほど試行錯誤してたどり着いたのが甘めの味付けだった。
しょうゆにすり下ろしたリンゴやタマネギ、砂糖、ハチミツを独自の配分で入れたタレが、肉のおいしさを引き立てる。1袋500グラム入り1382円と、1キロ入り2570円があり、主に冷凍販売する。商品名は自身の名前から商工会の仲間が付けてくれた。
「鍋を使わず、炭火で焼くのがお勧め。野菜と炒めても、丼にしてもおいしい。ぜひ家族や友人と食べて」と中村さん。口コミで評判が広まり、市のふるさと納税の返礼品にも並ぶ。
近年は市商工会がマチの名物にしようと注目し、市内のイベントで炭火焼きのツヨジンを提供する。中村さんは「少しでも地域のにぎわいにつながれば」。
同店では、かつて炭鉱マンにスタミナ食として好まれた郷土料理「なんこ」も人気。馬の腸をじっくりと煮込んでみそで仕立てた。くせのない軟らかさが売り。300グラム594円などで販売している。
ジンギスカンもなんこも商品は電話で取り寄せを受け付ける。別途送料がかかる。 (岩見沢報道部 横田望)
▼所在地 三笠市幸町7の 11 |
▼電話 01267・2・2460 |
▼営業時間 午前8時半~午後6時 |
▼取り寄せ 電話で受け付ける |
▼定休日 日曜日 |
▼交通 道央道三笠インターチェンジから車で約5分 |
(北海道新聞2024年7月26日掲載)